ねぇ、知ってる?
人はね、ある問題を解決するために努力を続けたにも関わらず、その問題が解決しないままに一定以上の時間が過ぎると、文字通り「力尽きる」んだよ。その時間は短ければ3年、長くてもせいぜい10年限りで、平均だと5,6年といったところだ。
この力尽きた人は最早、その問題について行動することはおろか、それについて話すことも一切できない。そして、その問題について考えることさえ全くできない。すなわち、その問題に関して何もできない。「力尽きた」とはそういう状態である。ここまで説明した実様は非当事者には理解し得ないもので、当事者のみが知るものだ。
それはさておき、だから、記憶にあるところでは川崎の殺傷事件や元事務次官の息子殺害事件を受けて、自治体や支援機関等が馬鹿の一つ覚えに「まずは相談を!」「支援を利用して!」だのと叫んでいるが、その呼び掛けはほぼ無意味である。先に述べたように、力尽きた人はその問題について何もできないのだ。だから、窓口への相談も支援の利用も一切できない。
何が相談しろだ? 何が支援を利用しろだ? そんな力、一切残されていないよ。文字通り、力尽きているのだ。本当に、何一つできないのだ。したがって、当事者から助けを求めるのを待っていたのでは問題は永久に解決し得ない。状況は一切変化し得ない。
結局のところ、この「力尽きた人」を救うためには行政・支援機関の側から半ば強制的に介入するしかないのである。福祉関係者・支援者が当事者のいる状況のなかに無理やりにでも足を踏み入れ、一人ひとりの送る生活の内側に彼ら/彼女らとともにあるよりほかにない。
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私が自殺を遂げる前にサポートしてほしかった。