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【海外記事】サム・アルトマンのAIに関する3つの考察
今日はサム・アルトマンによるブログ記事を読んでみます。
こんな人におすすめ: AIの経済的影響や将来性に関心のある方。
記事のポイント:
AIモデルの知能は、トレーニングや運用に投入されたリソースの対数に比例する。
特定のレベルのAIを使用するコストは12ヶ月ごとに約1/10に減少し、価格低下は利用の増加を促進する。
知能の線形的な増加による社会経済的価値は超指数関数的であり、今後も投資の増加が予想される。
本記事は筆者がその時々の興味や気分に合わせて、主に海外のデザインやテック系、ビジネス、文化に関する記事を英語学習も兼ねながら日本語訳してまとめているものです。読みづらい部分や解釈が正確ではない部分もあるかもしれませんが、予めご了承ください。
自分にとってはいつもよりかなり読解が難しい文章でした。
本日もよろしくお願いいたします。
3つの兆候
私たちのミッションは汎用AI(AGI)が人類全体にとって利益をもたらすことです。
汎用AIへ向かい始めたシステムが見え始め、そして私たちは今いる現在地を知る重要性を感じています。生成AIは定義が曖昧な時期ではありますが、一般的に言われているのは私たちはそれを増大する複雑な、あらゆるフィールドの課題に立ち向かえるシステムであるということです。
人々はそれぞれにAIツールを理解して作り始め、世界がより良い方向へ向かっています。新しい世代の人たちはそれぞれが過去の世代の発見を基に電気、トランジスタ、コンピューター、インターネット、そして将来的には生成AIというようにさらなる優れたツールを生み出していきます。
時を超えて、継続的に人々の革新は過去には想像できなかったレベルの反映と、あらゆる面での生活レベルの向上をもたらしました。
ある面では、生成AIは私たちが共に積み上げてきた人類の進歩の高い足場の一つに過ぎません。他方、「今は異なる時である」と言わざるを得ない何かの始まりであるとも言えます。私たちの目の前の経済成長は驚くべきもののように思えますし、私たちはあらゆる病気がなくなる世界を想像することができますし、私たちの家族とより多くの楽しい時間を過ごすことができますし、自分たちの潜在的な創造性にしっかりと気づくことができます。
この10年の中で、もしかしたら地球上のあらゆる人々は、今日の偉人たちが成し遂げることよりもすごいことを成し遂げる可能性をすでに手にしたのかもしれません。
私たちはAIの急速な発展を目の当たりにしています。ここにAI経済における3つの兆候を示そうと思います。
AIモデルの知能はおおよそ訓練と活用に使われたリソースの蓄積と同等である:これらのリソースは主に計算やデータの訓練であったり、計算を推論するものです。任意の金額を費やして継続的かつ予測可能な利益を得ることができるようです。これを予測するスケーリング法則は、桁違いに正確です。
AIの使用料は1年ごとに10分の1ほどになっていき、より安く、より有用なサービスが使えるようになる:2023年初頭のGPT-4から2024年中期のGPT-4oに至るまでの間にトークンコストが150分の1になりました。ムーアの法則では18ヶ月ごとに2倍の速度で世界が変わることを予見していたので、これは驚くべき速度です。
継続的な知能の増強による社会経済的な価値は本質的に超指数関数的である:この結果、私たちは今後もこの指数関数的な成長に投資をし続けることとなるでしょう。
もしこれらの3つの兆候が真実であり続けるなら、その社会的インパクトはとてつもないものとなるでしょう。
私たちはまさにバーチャルの協業者であるようなAIエージェントの導入を開始しようとしています。
特に重要になると予想されているエンジニアエージェントのケースを考えてみましょう。このエージェントは、世界のトップ企業のソフトウェアエンジニアが数年かけてできるようになるなるほとんどのことを、最長でも2日程度で終わらすことが最終的にはできるようになるような世界を想像してみてください。これには新しい大きなアイディアが必要なのではなく、多くの人々の監視や方向性の提示が必要とされるものであり、これはある面では素晴らしいものとなりますが、それ以外では驚くべきほど悪いものとなるでしょう。
それでは、現実の、しかし比較的若いバーチャルな協業者を想像してみてください。そしてそれが1000人いることを想像してみてください。いや、100万人いることを想像してみてください。そしてあらゆる知識労働の領域にそれらが存在することを想像してみてください。
ある意味、AIは経済はトランジスタのような存在になるかもしれません。スケールが大きく、経済のあらゆる部分に浸透する大きな科学的発見です。私たちはトランジスタやその会社についてよく分かりませんが、その恩恵は広範囲に分布しています。私たちはAIによってコンピューターやテレビ、車、おもちゃやその他に対して、驚くべき可能性を与えることができると確信しています。
世界は一度にすべてが変わることはありません。人生は短期的に見た場合は同じようなことが繰り返されており、2025年の人々の多くが彼らが2024年にしていたことと同様なことを行うことでしょう。私たちは未だに恋に落ち、家族を作り、オンライン上で喧嘩をし、自然をハイキングするのです。
でも未来は、長い時間をかけて社会や経済を巨大化させるように私たちが無視できないような方法で近づいてきます。私たちは新しいやるべきことを見つけ、互いが助け合えるような、あるいは新たなかたちで競争し合う関係性とを探していくこととなるでしょう。それでも今日の仕事のようにそれらはよく見えてこないものです。
主体性も意思も決意も非常に価値あるもののように思われます。やるべきことを正しく決断し、変わり続ける世界の中での生き抜き方を探すことはとても大きな価値です。信頼と許容力は社会を育てていくのに役立つスキルです。汎用AIは人間の意思を制御するかつてないほど大きな存在となるでしょうし、個々人がかつて手にしたことがないほどの影響力を持つことを可能にします。
私たちは汎用AIの影響は均一に行き渡るものにはならないだろうと考えています。けれどもいくつかの業界では小さな変化が起き、科学的な進歩は今日よりもずっと急速になり、汎用AIの影響はあらゆるものと超越していくことでしょう。
多くの製品の価格は劇的に下落し(現時点ではAIの稼働コストやエネルギーコストが多くのことを制限していますが)、ラグジュアリー製品や、土地などの少数の資源の価格は劇的に上昇するでしょう。
技術的に言えば、私たちの目の前の道はいたってクリアです。でも、私たちがいかにして汎用AIを社会と統合させていくのかと言った公共政策や集団的意見は非常に重要です。私たちが製品を早急かつ頻繁にリリースする一つの理由が、社会とテクノロジーが共に進化をする時間を与えるためなのです。
AIは社会と経済のあらゆる領域に浸透していくでしょう。そして私たちは、あらゆるものがより賢くなっていくことを予測しています。私たちの多くがオープンソースを含め、かつての私たちよりさらにテクノロジーに対して操作可能な状況を生み出す必要性を感じています。そして安全性と個々人の利便性の強化と言ったトレードオフな二項対立のバランスを探っていく必要があります。
一方私たちは決して無謀なことはしたくありませんし、汎用AIの安全性に関するいくつかの大きな決定や制限は不評を買う可能性があることは理解していますが、方向性としては汎用AIの実現に近づくにつれて、個人の能力をより強化することが重要であると考えています。もう一つの可能性として考えられるのは、権威主義的な政府が大規模な監視や個人の自由の制限によって国民を統制させようとする動きです。
汎用AIのメリットを広く行き渡らせるようにすることが重要です。技術の進歩による歴史的な影響は私たちが気にする指標(健康状態や経済予測など)が長期的に見ても平均的により良い方向へ向かっていますが、平等性の向上というものは技術的に決まるものではないようで、正しい道を行くには新しいアイディアが必要となるかもしれません。
特に、資本と労働力との間の力のバランスは簡単に混乱をきたし、早期の介入が求められるかもしれません。私たちは地球上のあらゆる人がAIにアクセスできるようにするための「コンピューティング予算」を与えるというような風変わりなアイディアにも積極的ですが、私たちはまた知能のコストを徹底的に抑えることで望ましい効果を得る方法も多く見てきました。
2035年は2025年の私たちと同様に知的能力を活用できるようになるべきです。そして誰もが思い描くままに活用できる無限の知識へアクセスできるようになるべきです。現在は多くの優れた才能が存在していますが、それを活かすためのリソースが枯渇しています。そしてもし私たちがそれを変えるなら、その結果によってもたらされる世界は私たち全員にとってとてつもないメリットを与えるものとなるでしょう。
※ここで汎用AI(AGI)という言葉を使うことで、私は明快なコミュニケーションをしようとしました。加えて私はMicrosoftとの関係性によって定義されているプロセスや決断に対して何か変更をしようとしているわけではないということを付け加えておきます。私たちは長期間Microsoftとパートナーシップを結び続けることを心から望んでいます。ここでの追記はアホらしく思えるかもしれませんが、一方で私たちは一部のジャーナリストがバカなことを書いてクリック数を稼ごうとしていることを知っているので、私たちが最初に馬鹿げたことを書いたまでです…
感想:AIのコストが下がり、世界にAIが浸透する未来
いつもはMediumという海外のnoteのようなサイトから記事をピックアップしていたので主に著名人の発言や政治的な声明対しての執筆者の意見などが書き添えられているものだったのですが、今回はサム・アルトマンが直々に執筆したブログを読みました。出てくる単語も言い回しも難しく、結構読解がきつかったのですが、内容は非常に大きなスケールで世界の将来を考えているものでした。
AIがインターネットに変わる次のインフラとなる!と言われて久しいですしそういった世界観を現在では多くの人が共有しているものとも考えますが、AIの成長スピードは凄まじく、今後私たちが想像もしないような指数関数的な伸びとそれに伴った様々な課題に直面するということがこの記事の中では示唆されていました。
とは言え、この記事でも述べられている通り今日明日で私たちの生活が劇的に変わるというようなことはなく、少しずつ生活に浸透していき、やがて大きな変化が訪れるだろうというようなことも語られていました。
私はChat GPTの有料プランに課金しているのですが、今後AIの競争がより加速してきたなら今私が課金して享受しているメリットは無料で補えるほどになっていくかもしれません。
デザインツールがAdobe一強の時代からCanvaやらFigmaの台頭で高品質なデザインツールが無料で当たり前に使えるようになってきたのと同様に、コストの低下がAIの普及にもたらす効用は非常に大きなものとなりそうです。
個人的に気になった海外記事を週数本メモしていますので、よければフォローおねがいします
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