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ムサビ通信の日本画専攻について。

こんにちは。前川結佳です。
私は現在、武蔵野美術大学通信教育課程に在籍しています。

今回は私が専攻しているムサビ通信の日本画専攻のことについてお話ししていこうと思います。


さて、まずはムサビ通信の日本画専攻生はどのような流れで卒業まで至るのかについてですが、最初に入学してから2年生が終わるまでは『専攻』はありません。3年生になるタイミングでどの学科に入り、卒業制作をする専攻を選ぶのかを聞かれます。なので、1年生で入学した人は最低でも丸々2年は最終的な専攻先をどうするか、思う存分悩むことができるってことです。

ただ、3年生になる時に日本画専攻に入る場合には2年生までの間に『日本画1』とか『日本画2』といったような科目を履修しておく必要があります。これは油絵専攻や視覚デザイン専攻など他の専攻に進む場合も変わらない道のりです。

ここでムサビ通信ならではだと感じるメリットを紹介しておきます。恐らく通常の通学制の美大生は1年生の頃から「日本画科に入学しました」とか専攻が決まっていて授業がスタートするかと思います。(もちろん後で転科も可能でしょうが。)ムサビは将来的に選択する専攻科に備えて履修しなくてはいけない科目があるにせよ、2年間「は油絵や版画やデザインなど色んな科目を履修して『体験』することができるんです。

これの厄介なところは、いきたい専攻が増えることだと思います。興味本位で日本画選考を希望してる人が版画を履修したら、そっちも面白くなっちゃって専攻が決まらない!悩ましい!って方をチラホラ見かけました笑


本題に戻ります。
ムサビ通信で日本画を専攻している私が実際どのような感じで現在に至るのかですが、私の場合は初めから『日本画専攻にいく』と決めていたので、単純に必要な科目(学校側から指定されている必須科目)と必要であろう…つまり日本画をやっていくために要るだろうと考えた科目を取っていきました。
例えば、デッサン、美術史、日本画材料学です。

ムサビ通信の日本画の初めは、材料や画材の確認を教授と行いながら、どんな手順で描くのかも確認して百合の花を描きました。6日間で一枚の絵を完成させてその後講評です。スタートは題材を指定されますが、卒業制作が近づくにつれて支持体も題材も自由になっていきます。プラス、画面の大きさの指定も大きくなっていきます。
今現在まだ描き始めていませんが、卒業制作も、もちろん自由に作品を描きます。号数は80号〜。

日本画を専攻して大変だなと感じるのは、スクーリング(対面授業)の時に画材を持ち運ぶのがすごい重労働ということです…。
油絵とは違ってパレットにチューブ絵の具を出して描かず、絵皿に岩絵具や水干絵の具を出して膠と混ぜて和紙などに着彩していきます。その前に墨で線を描くために墨を摺るために硯が必要だったり、絵の具を摺鉢で摺ったり、日本画の画材は荷物として嵩張るものが多いんですよね。絵皿が多くないとたくさんの色を同時に用意できないので安易に減らすこともできず、皆んなスクーリングにスーツケースいっぱいの画材を詰めてやって来ます。遠方組の生徒はヒィヒィになります笑

さてさて、日本画もスクーリングと自宅で制作する通信授業のふたつを行います。自宅で制作するときは教科書や自身で用意した資料を基にして描いていきます。これはどの美大でも変わらないかと思いますが、自分自身でどんどん制作を続けていってノウハウを習得していく流れです。(経験上)スクーリングでは大抵ずっと教授が教室にいてくれるのでわからない部分はすぐ聞けます。なのでなんでもいいから疑問点はスクーリングの時に教授に聞いておいた方が得です。


日本画を専攻する生徒は少なく、油絵専攻は地方でスクーリングを行われることもあるんですが、日本画にはそれがありません。なので大荷物を運んだり、基本的に制作は自宅になるのでそのスペースを確保しなければいけない部分がネックだなと思います。それでも日本画ならではの鉱物(岩絵具)を使う部分とか『日本画に惚れる』と面白くて仕方ない分野だと思います。

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