本業ありで、正月限定でアルバイトを18年続けて思うこと #18
大学一年生の時から続け、今年で18年目。
浅草の雷門近くにある、老舗天ぷら屋でアルバイトして、今年で18年目になる。
お正月の3.4日限定、でだ。
ワーママとなり、家庭がある今でも「お正月だけ」は、続けている。
間に、娘の出産と、コロナ禍の2回の正月は休んでいるが、丸っと期間としては18年、お店に関わっていることになる。
お店的にも、お正月が一番の繁忙期で働く人が必要で、短期でも募集している。
私は、大学一年の時に初めて行って、「どうせお正月はダラダラするし、それならお小遣い稼ごう」という気持ちで始めた。
実際、お正月の浅草は激混みなので、本当に大変だったけど、あの浅草の活気が好きで、
そして何よりも食べさせてもらえた天ぷらが美味しくて、4年間続けた。
お正月に実家に帰るのが嫌だったから
学生を終えたら、学生時代のアルバイトは、一旦は終わることが多い。
だが、私が社会人になってもアルバイトを続けたのは、正直、私が実家に帰るのが嫌だったからだ。
「アルバイトがあるから」と言えば、実家に行かなくても許される免罪符になった。
社会人になって、当時の私は高校の美術の教員をしていたが
「みんなが休む正月にも、あいつは本業がありながらバイトしてるのか、それなら実家に来れないな」
と親に思ってもらえるなら、それでいいと思った。
店への愛着と貢献したい思い
そんなこんなで社会人になっても続けていたら、お店の女将さんやスタッフの人にすごく可愛がってもらえるようになった。
年に一度、お正月の期間だけに会う「親戚」のような距離感で、お店の人と関わっている。
いや、親戚よりも、もっとさっぱりとした「仕事」を通した付き合いだ。
しかも、大混雑の中を切り抜ける「同志」のような気持ちさえ芽生える関係だから不思議だ。
私が結婚したときには、喜んでくれ
子供ができたと言えば、祝ってくれ
夫と娘を連れてくれば、お土産を持たせてくれ
お店に行けば、
「あら、元気にやってるの?子どもは何歳になった?」と声をかけてくれる。
お店そのものが、大好きだ。
しかも超有名な老舗なので、大きなことがない限り、早々無くなるお店ではない。
だからこそ、付き合い続けたい思いがあるし、応援したい思いがある。
ワーママになり、本業がある今でも続けるのは、
今は「貢献したい思い」が一番である。
超有名なお店だからこそ、その維持や大変さを、女将さんや関わる人の努力を長年見ていると、わかる。
お正月だけでも、そこから私が肌で感じること、学ぶことは多いのだ。
学生時代から見ているからか、私の「働く」ということの「原点」にもなっていると思う。
これからも続けられる自分でありたい
65歳になったら、週に2.3日でも、ここでアルバイトしたい、と本気で思っている。
なぜなら、ここで働く人達は平均年齢65歳くらい。80歳近くでもバリバリ働いているのだ。
足腰も強く、記憶力もあり、シャキッとしていて、若々しい。
ここでの仕事は、究極のアンチエイジングである。
大学生の時から18年間見ているが、「可能な限り続ける」というスタッフの人たちのたくましさを感じる。
私も、そうなりたいのだ。
夫がいて、子供がいて、でもお正月だけは、ここで、お店のために仕事をしたい。
そこで得られるものは、お小遣いと、一杯の天丼と、私が普段の役割から離れられる、特別な「お正月の時間」なのだ。