海外生活、海外留学で気をつけたいこと
これまでアメリカとインドネシアでそれぞれ海外駐在2回、海外留学2回しています。
年齢も29歳から53歳と幅広く、一人暮らし(独身、単身)、家族暮らしといろいろです。
海外生活のよいところは、自分でいろいろ経験し、失敗して学ぶことにありますから、わたしがこれから述べることは経験のチャンスを減らすことになるかもしれません。
ですが、知った上であえて経験しにいくのもよし、似た人がいるんだなと参考にするのもよし、だから書いておこうと思いました。
わたしの子供たちが将来留学や海外駐在するときのことをイメージして書いています。
とにかく無理をしない
新しい生活が始まると、どんな人でもアドレナリンが出て頑張れてしまいます。でも自分の身体は同じですし、頭脳やメンタルのキャパシティーも変わっていません。
そのため、アンバランスが生じて体調やメンタルを崩しがちです。
仕事のことだけ考えすぎない、勉強のことだけ考えすぎないで、リラックスする時間をなるべく持つようにするのがよいです。
家族が一緒だとその点気分転換が図れるので最高ですね。
あとは疲れたなと思ったら休む。よく寝る。これが大事です。
ポジティブ思考を心がける
個人の性格によりますし、すべてポジティブというのは無理だと思いますが、可能なかぎりポジティブにとらえるようにすると良いです。
わたしは最初から期待値を下げることで、不平不満が発生しにくいようにしていますが、それでもネガティブで攻撃的な気持ちになるときがよくあります。
そういう時は、無理に抑えるより、別のことを考えるようにしています。
加えてあとで述べる気分切り替え方法を試します。
ネガティブな気持ちを長引かせないためには、自分が滞在している国、所属している組織、仲間に対し、リスペクトの気持ちを持つと良いです。
わたしならインドネシア、インドネシア人に対し、彼らの優れた点に目を向け感謝するというのを定期的にやっています。
人は一人で生きられないので、日々何かしら助けてもらっているはずです。それを思い出すだけなので、難しくはありません。
おはよう!とニッコリ挨拶してもらうだけで、とてもありがたいことなんですよ。
そうするとたぶん皆さん気づかれると思いますが、よくない点と良い点は実は裏表になっていて、よくない点を消すと良い点も消えてしまうのです。
このプロセスをすると、許してやろう、腹を立てるのはやめようという気持ちになります。
あとは人のことをとやかく言う前に自分の若い頃を思い出して見ろと自分に言うのも効果的です。わたしの場合、今も変わっていないですが子供の頃からかなりの問題児でしたから、人のことは言えないなとなります。
そんなに嫌なら日本に帰れと言われても仕方のない立場にいることを忘れてはいけません。
お金にシビアになりすぎない
これは駐在員というよりは、留学生や学生向けですね。
たとえばこれはわたしの例ですが、わたしは高い日本食でも今日は日本食を食べたいと思えば躊躇なく食べます。
最初にジャカルタに駐在したとき、インドネシア料理が思ったよりおいしかったので、折角インドネシアにいるんだから日本料理なんて食べている場合じゃないと、2か月くらいずっとインドネシア料理しか食べませんでした。
するとあるとき急に、匂いを嗅ぐだけで気持ち悪くなってインドネシア料理を受け付けなくなってしまいました。体調も悪かったんだと思います。
仕方なく日本食レストランにいき、定食を食べたら普通の状態に戻りました。たしかにゅう麺を食べたと記憶しています。
それ以来、ちょっとでも日本食を食べたいと思ったら躊躇なく食べるようになりましたし、イタリアンが食べたいとか中華が食べたいと思えば迷いなく食べるようにしています。
お金にシビアになりすぎない(続き)
たとえば休みの日に時間ができて何かしようと思いますよね。旅行に行くのもよし、コンサートやスポーツイベントに行くのもよし、そういうときにお金がかかるから止めておこうと考え部屋にじっとしているのはおススメしません。
あとから振り返って、あのときお金と時間をかけてでもやっておいてよかったと思えることの方が多いと感じます。
今どんなにお金と時間があっても、もう2度と体験できないこともあります。
わたしの例でいえば、わたしは旅行好きなので休みになると旅に出ます。独身時代にシリコンバレーにいたとき、オーロラを見たいと思って、年末年始の休みにアラスカに行きました。
アラスカの最北端にバローという町があり、オフシーズンなので観光客なんてほぼゼロです。マイナス30度かつ1日のうち2時間くらいしか日が出ません。日が出るといっても夜明けと夕焼けが同時に発生した程度です。こんな状態なので観光どころではありません。そんななか、キャタピラー車をチャーターして遠路白熊を見に行ったことがあります。
客はわたしだけでツアーにならなかったため貸し切りになり、何百ドルもかかった記憶がありますが、払った価値はありました。
光景を見慣れているはずの運転手が興奮して写真を撮りまくるくらいのシーンを見ました。
旅に出る、観光する
これは後悔している人がとても多いので、みなさんもそうならないようにという意味で入れさせていただきます。
欧州駐在組からよく後悔を聞きます。
仕事や勉強に集中して、ちゃんと結果を出すことが一番大事なので、休みの日も遊んでいる場合じゃないという考えになりがちです。
また、平日は集中して疲れてしまったので休みの日はゆっくりしたいという日本のサラリーマンの延長のような方もいらっしゃるかと思います。
でも、日本に戻ったあと、現地にいたときは割と気軽に行けた場所がなんて遠い場所になったのか痛感すると思います。
相当な時間とお金をかけないと、もう経験できない世界になってしまうのです。
あるいは、コロナの大流行のようなことも今後起きるかもしれません。行けるときに無理をしてでも行っておくことをお勧めいたします。
わたしは実践しています。
いろいろな人と親しくしておく
普通は会社、学校関連で知り合いを作り仲良くなりますね。それ以外に、例えば住んでいる場所の警備員、清掃係、学校の受付とあいさつする関係になっておく、近所の食堂のおじちゃん、おばちゃんと親しく挨拶したり話をする関係になっておくことをお勧めします。
どんな人でも調子のよいときと悪い時があって、何をやってもうまくいかないとか、やり取りにしくじって一時的に人間関係を悪化させたりとか起きます。
そういうときに全然仕事と関係ない人との会話や、彼らの屈託のない笑顔に救われる経験をわたしは何度もしています。
人間は社会的な動物なので、一人でいるのが好きな人でもまったく人とのやり取りがないと精神的におかしくなります。
あたらしいことにチャレンジしてみる
これのいいところは交友関係を広げるところです。交友関係が広がると視野も広がります。
日本を離れると生活スタイルが変わるので、時間の使い方も変わり、空き時間ができるんじゃないかと思います。
例えば日本にいたら友達と食事に行ったり飲みに行ったりするのが、海外にいくと交友関係が狭まるので回数が減ります。
特に休日の過ごし方は、仮に友達と過ごさず一人で楽しむというタイプであっても変わると思います。
継続する必要はないし、役に立てようとか考える必要もありません。ちょっとかじってみるというのをたくさんやる感じがいいと思います。
むしろ一見無駄に見えるようなことに挑戦してみてほしいですね。
気分転換のパターンをいくつか用意しておく
海外生活はかなりストレスがかかります。さらには日本にいたときのようにはうまく行かないのが普通です。
インドネシアのような熱い国では体調も崩しやすいです。
調子が悪くなってきた、気分が落ち込んできた、何をやってもうまくいかない気がする。
こんな状態になったときに、スパッと切り替える、あるいは30分でも1時間でもすべてを忘れることができると大きいです。
わたしのインドネシアでの経験談を話しますと、
- 足つぼマッサージに行って120分コースを申し込み寝てしまう
- クリームバス(頭のマッサージ)を受ける
- 温泉に入りに行く
- 運動する
- 家に帰って家族と話をする(今はできないので寮のスタッフと話をします)
- 寮の近所に居ついている猫をかわいがる(チュールというおやつをやります)
- 決まったカフェあるいはレストランに行く(近所にある笑顔が素敵なおばちゃんのいる店に行き話をする)
- スパイスからカレーを作る
- とっておきの酒をいかにおいしく飲むか考えながら時間をかけてツマミを用意し、じっくりと飲む
現地の言葉を勉強する
たぶん英語で事足りる国が多いかもしれませんが、そうであっても現地の言葉を少しでも話せる方が絶対に日々の生活は充実します。
たとえ短期留学で2,3か月しかいないとしても、単語10個でもいいから覚えてほしいですね。100個覚えると結構変わると思います。
その国の歴史や文化を学ぶ
日本にいて学ぶのと、現地で学ぶのでかなり違いがある感覚があります。
歴史や本に出てくる場所にいると、親近感がわきますし、その場に自分がいるような感覚がするんです。
同じ空気を吸って、同じ景色を見ている感覚です。
これの良いところは、現地の人々にリスペクトを示すことができるところです。
誰だって、外国人が自分の国の興味を持ってくれると嬉しいですよね。
人間関係がうまく行きます。
自分の意見をはっきりと主張する
言い忘れていたので付け加えます。これは大事です。
日本人は苦手な人が多いと思いますが、いい機会なので身につけてください。
まったく遠慮することはありません。むしろ自分の考えをはっきりと述べることは欧米社会では当然のことですし、敬意を払ってもらえます。
なので、わたしはインドネシアでもやりまくってます。
まず寮でも学校でも、うるさいから静かにしろとよく言っています。自習室で大声を出して騒いでいる、深夜0時以降に騒いでいる時ですね。盛り上がりが一瞬で冷めますが公共のスペースではルールを守れということです。
台所で使いっぱなしで片付けてないときも、洗わせ片付けさせます。共有しているんだから次の人が使えないのは問題ですよね。
そもそも相手は悪いことをしている意識がないので、こっちが黙っていれば問題ないと思ってしまうんです。
なんだようるせーなと思われたらこう思ってください。「俺はかなりうるさい奴だぞ、よく覚えておけ」
授業ではクラスメイトにも先生にも反対、賛成をはっきりと言います。ピンとした空気が張り詰めることもありますが、わたしからしたら普通のことです。
相手に厳しくやれば、こっちも厳しくやられることを覚悟しなければなりません。当然のことです。
健全な集団とはそういうものです。規律を守ること、自分の原理原則を持つことは大事なことなんです。異文化と交わる時こそ学ぶチャンスです。
皆さまの海外生活が実りあるものになることを願っております。
以上になります。