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わたしが止めた習慣 夢を記録する(夢日記)

人から危ないから止めた方がよいと言われ、中学から続けていた夢を記録する習慣を30才で止めた。

夢をまったく見ないという人や、夢は白黒で色がついていないという人、カラフルな夢を見る人まで、夢は人によって本当に様々で驚かされる。

私の夢はカラフル、あらすじはおかしく奇想天外な夢から、普通にあり得るリアルな仕事の夢まで多種多様で、本当によく夢を見る。

夢の記録をつけはじめたきっかけは、単純におもしろい夢だったので、印象に残るテレビや映画のあらすじを記録するのと同じように始めたのだと思う。

夢を見る人には分かってもらえると思うが、夢は目覚めたときはよく覚えているのに時間がたつと急速に忘れてしまう。

そして、あーもったいないことをしたと思い、見た夢を忘れないように朝目覚めた瞬間に夢を振り返ることが習慣になった。振り返って思い出しておくと、比較的長い期間維持できる。

私には珍しい特技があり、夢をコントロールすることができる。これは明晰夢と言われているらしく、他にもできる人はいるようだ。実際に明晰夢を見るという人と会って話したことがある。

私の場合、保育園児の頃に怖い夢を見た時「これは夢だ」と気づき、たまたま夢から抜け出すことができたのがコントロールの始まりだった。そのうち怖い夢のパターンや導入部分から怖い夢が始まりそうだと察知し、夢の内容を自分の意思で変えたり、意図的に目覚めることができるようになった。
これは夢だと途中で気づけば、ビルの屋上のような高いところから飛びだして空を飛ぶこともできる。大抵の場合、夢と気づいた瞬間から目が覚めはじめてしまうし、思ったように飛べずに落ちていき目が覚めるときもある。

あるいは、非常に楽しい夢から意図せずに覚めてしまい、また同じ夢に戻るため、2度寝3度寝し戻れる時がある。大抵は戻れずに似ても似つかぬ夢を見ることになるのだが。

このような夢をコントロールするテクニックや、どういう状態のときにそれができたかなども、夢のあらすじとともにメモしていた。

夢のデータが集まり始めると、次はその夢にどういう意味があったのかを知りたくなり、高校生の時にはフロイトの「夢判断」を読んでいた。大学ではフロイト以外にユングも読んでいたが、どうも自分の夢には当てはまらないようだと思い、夢の理論を探すのはやめてしまった。
夢で出てくる人物や物、出来事は、寝る前に話したことや悩んでいることが単純に夢に出ただけというオチが実は多く、深掘りするほどのことは無さそうだったのだ。私の精神状態がシンプルすぎたのかもしれない。

それでも、いつかこの奇想天外なストーリーを使って星新一のようなショートショートや映画のネタができるのではないか、と思いながら社会人になっても記録は続け、夢にまつわる映画や本を見つけると参考に見るようにしていた。

そして、冒頭に書いた、きっぱりと止めるきっかけの話になる。

シリコンバレーに駐在中、同業他社の日本人駐在員と夢の話をしていた時だった。夢日記をつけていた作家が突然気が狂ってしまったという話を聞いた。
それは、私が絶対に来たはずがない場所なのになぜか来た気がするとか、ある会話のシチュエーションがデジャブのように感じるときがあり、それは夢の中で経験した話かもしれないと話したのがきっかけだった。

その気が狂った作家は、夢に執着しすぎた結果、夢と現実の区別がだんだんとつかなくなってきて頭がおかしくなってしまったと聞いた。その作家も夢を記録していたそうだ。

私も現実で経験したことと夢で経験したことが混ざってどっちだったか分からなくなることがあり、薄々気味悪く思っていたので、急に怖くなってしまい、それ以来夢を記録することはきっぱりと止めてしまった。

記録していた夢も全部捨てた。全く後悔していないし、それ以来夢を記録したいと思ったことはない。時々面白い夢を見た時に子供達と見た夢について話すくらい。
子供の夢の奇想天外さは、脳が若いからなのか大人の私では全く太刀打ちできないレベルで、この歳になればもう昔のような面白い夢は一生見ることができないかもしれないと思っている。

最後に私が夢日記をつけているのではないかと密かに思っている人を勝手にあげて終わりにしたい。
まずは映画「インセプション」の監督、鬼才クリストファー・ノーラン。
私はこの監督も夢日記をつけているのではないかと密に思っている。インセプション自体が夢の話だし、メメントやインソムニアといった不思議系の映画が多い。この映画いいなと思うとノーラン監督だったというパターン。

他に夢日記をつけていそうだと思うのは、作家のスティーブン・キング。この人の作品も、不思議系というか、夢っぽい感じがするものが多い。この作家の作品も大好きです。
よく映画化されるので、映像化と非常に相性が良いのだろうと思う。






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