【第8回】 アメリカ、イギリスにおけるエリート教育の根源
~その現地訪問によるインタビューを通じて2007~
※私が2007年にアメリカ、イギリスの学校を訪問してまとめたものです。訪問から月日が過ぎてはしまいましたが、希学園の根幹に通ずるものがここにあるので、各種データは当時のまま、文章部分に修正を加えています。
アメリカ編 Dunn School
回答者:Jim Munger
Dunn School訪問時、最初に受けた印象は『自然豊かな環境でのびのびと生徒が生活している学校』でした。比較的小規模な敷地内に、1階建ての教室が点在していました。1クラスの生徒数は6名~12名で、どの教室もその規模の授業を行うのにちょうど良い広さの教室です。見学させて頂いた授業も、アットホームな感じを受けました。生徒と講師の関係もとても近く感じられました。学校全体を見学した後、寮の見学もさせていただきました。
寮全体の様子は、『大きなひとつの家で、皆で共同生活をしている』という印象を強く受けました。当時、寮生は全学年合わせて110名程しかおらず、本当の家族のように皆が密な関係を築いている様子が各自の部屋や共同部屋からうかがえました。Dunn SchoolにはNon-native program(英語を母国語としない生徒のためのプログラム)があり、海外からの留学生も多く見られます。この小規模な学校に、日本人留学生が3名もいたのには驚きました。日本人留学生のひとりは、この学校を選んだ理由として、『カリフォルニアの色々な学校を回ったが、この学校の雰囲気が一番良かった』と言いました。自然に囲まれた学校環境の良さ、生徒間、生徒講師間の密な関係は、今回の私たちの訪問でも感じる事ができました。自分をしっかり見つめ、学校内に自分の存在価値を見いだし、のびのびと生活している生徒達の様子がうかがえます。
Dunn Schoolの寮生活は、とても独自的であり、学校での経験や勉強の質をより高めてくれるものです。Dunn Schoolにおける寮生活は、大学生活への準備期間でもあり、責任感・社会性を育て、個性を育てるチャンスを与えます。Dunn Schoolでは講師と生徒間がとても親密であり、どの生徒もその生活の中で、独自性を見いだし、自身の能力を高め、家族や友人との関係を確立させます。
通学生もまた、様々な寮のイベントに参加することができます。Dunn Schoolのキャンパス内には4棟の寮があり、そのうち1棟は女子寮となっています。部屋はとても広いです。各寮には、インターネットが完備し、テレビ・ビデオ・DVDを観ることができるラウンジ、勉強部屋、洗濯場などが備えられています。
次回は校長への質問とその回答という形で、引き続きDunn Schoolについて紹介します。