最難関中合格の秘訣 親の役割・塾の役割
(26回)
Ⅴ.最難関中合格の秘訣
[4] 正しい競争原理が働いているかを見極める!
塾に限らず、人が積極的に生きていく上で競争原理は欠かすことのできない要素だと思います。人が前を向いて生きていくとき、自分自身がいまどういう位置にいるのかを確認し、もし誤った位置にいるのであれば、それを正していく必要があります。自分の位置というのは、他人から点検・評価を受けなければ知りようもありません。競争原理を悪だという人は、物事を積極的に捉えていくことを諦めてしまっているような気がします。
競争とは、人を蹴落とすためにあるのではなく、自分自身を高いステージに上げていくためのものです。希学園にも一ヶ月に一回、クラス編成を変える仕組みがあります。それは、子どもたちみんなが向上心を持っているという前提に立ち、その向上心に対して自分の学習を怠けていないかをチェックし、反省するチャンスとしているのです。
頑張ればクラスが上がるが、怠ければ下がります。実に単純な論理です。極めて公平なシステムなのです。これは生徒もよくわかっています。何故、これほどすっぱりと言い切れるかといいますと、入塾テストというと、クラス編成のために行うのだと誤解される親御さんがいらっしゃいますが、実は授業についていけるかどうかを見ているだけです。だから、クラスが下がったのは怠けたせいなのだと自信を持って言えるのです。
塾によっては入塾レベルをぐっと下げておいて、クラス編成をレベル別に固定化するところもあります。クラスの中では競争原理を働かせるのですが、枠の外には飛び出すことができません。この輪切りの論理では健全な競争原理が働かないと思います。最難関中合格はこの適正な競争原理の働きから生み出せる技なのです。最初から輪切りの中で志望校を選ばせるようでは、本人の意欲をかき立て、モチベーションの昂揚に繋げることはできないでしょう。