先日に『さまつ』という言葉を目にし、和歌山の「JA紀南 ファーマーズマーケット紀菜柑(きさいかん)」を訪問した。娘が、わんこも連れていきたいと言うのでホテルを探すも、急遽の思いつきだったので、前日では空きが見つからずに、仕方なく車中泊での無謀な旅程ではあったのだが、とにかく向かった。
結論的には、店頭には並んでおらず、物憂げに立て札だけが。
国産松茸は、とても立派なもので、ちょっと手が出なかった。
(後から思うと、買っとけば良かったな)
さて、タイトルの松茸。
今のところ人工栽培が叶っておらず、上の写真の通り非常に高価な代物である。中国産、ロシア産、あるいはカナダ産ってのもあるが、大抵は傘が開いてしまっており、香りもイマイチだ。
一方で、前述の『さまつ』・・・早生松茸あるいはバカマツタケと呼ばれるキノコで、見た目は松茸そのもの。食べた方それぞれではあるが、香りも松茸そのもの、匹敵する香り、あるいは香りは松茸ほどではないとの評価もある。でも、店頭価格は、松茸の1/10ほどで、庶民には手に取りやすい価格なのである。
JA紀南 ファーマーズマーケット紀菜柑の店頭に並んでいる写真をSNSで拝見し、訪問したのだが大変残念でした・・・
で、帰宅の翌日に今一度ネット検索。
お!通販で手に入るじゃん!っと、ネットにたどり着くとSold Outの表示。
11月にも入り、すでに季節を超えたのかもしれないので、また来年を待つか・・・
次に、凄いニュースにたどり着いた!
株価を急騰させたバカマツタケ栽培成功は、常識破りの大発明だ
2018/10/6(土) 10:17
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/4062ef8f031502bc9c30f5efb854edc68a6c8236
もう6年も前の記事で、森林ジャーナリストの田中淳夫しに寄るものだ。
松茸の人工栽培はまだ叶わないけれど、バカマツタケには成功しているだとぉ〜!!
凄い!
その企業は、兵庫県加古川市の肥料メーカー『多木化学』
多木化学株式会社
https://www.takichem.co.jp/
我が故郷・兵庫県に、こんな偉大な企業があったとは!!
(今、散々と知事の件でニュースになってる恥ずかしい状況だが・・・)
この記事冒頭に、この件で株価が急騰、ストップ高にまでなったとある。
そりぁ期待も高まるに違いない。
現在の株価はこちら。
https://finance.yahoo.co.jp/quote/4025.T?term=2y
2018年10月に株価は2倍、その後2020年6月には8,400円となり約2.8倍にまで高騰し、現在は4000円前後で落ち着いている模様。となると、事業化にはまだ至っていないのかもしれない・・・
同社の新着情報を見てみよう〜
https://www.takichem.co.jp/news/index_new.html
この会社、創業は明治18年。
創業140年にもなる企業。
その実直な姿勢が、上記の新着情報にも表れている。
2018年10月04日
バカマツタケの完全人工栽培に成功
https://www.takichem.co.jp/news/news20181004.pdf
2020年02月10日
バカマツタケ事業化についての経過報告
https://www.takichem.co.jp/news/news20200210_2.pdf
2020年07月31日
バカマツタケ事業化についての経過報告
https://www.takichem.co.jp/news/news20200731.pdf
2021年07月12日
バカマツタケ事業化についての経過報告
https://www.takichem.co.jp/news/news20210712.pdf
2022年01月24日
バカマツタケ事業化についての経過報告
https://www.takichem.co.jp/news/news20220124_2.pdf
2022年11月28日
バカマツタケ事業化についての経過報告
https://www.takichem.co.jp/news/news20221128.pdf
2023年09月11日
バカマツタケ事業化についての経過報告
https://www.takichem.co.jp/news/news20230911.pdf
2024年07月31日
バカマツタケ事業化についてのお知らせ
https://www.takichem.co.jp/news/news20240731.pdf
このような形で、毎年事業化に向けた進捗をリリースしているのである。
当初は、令和4年の事業化を目指されていたようだが、現段階ではまだのようだ。
でも、この技術・・・松茸の人工栽培にも通じるかもしれませんね・・・
「松茸なんて、昔は腐るほどあったのに・・・」
そんな言葉を聞いたことありませんか??私自身は50代前半なので、そのような光景に出会ったことがありません。恐らく、私たちの父親世代あるいは祖父の世代だったのかもしれません。
戦時中に国内の山林は、軍需に向けて多くの木々を伐採し禿山になってしまいました。
その後に「戦後の拡大造林」という取り組みが進められ、今のような緑麗しい山林が成り立っているわけで、伐期に入った杉も檜も、季節には花粉を発散し、そろそろ若木への遷移を望んでいるのでしょう。
そう、その遷移。
子供の頃の理科の授業で習った気がします。
野原には、ススキのような草が生い茂り、その後に松のような針葉樹が生えて、広葉樹林に遷移していく植生遷移。
アカマツ林には松茸が生えたそうですが、マツクイムシ被害で松林が壊滅していき、その後に広葉樹林化していった地域があちこちにあるようです。松茸は、アカマツ林の土壌が貧栄養価にある時に赤松の根と共生をし、アカマツに栄養を渡しながら、自身もキノコ体となり地表に出現します。アカマツの落葉が重なり、微生物による分解が進んだ土壌は栄養的には豊富となり、アカマツは、松茸の共生を得なくとも栄養が取れるようになり、成長した樹体にはその栄養を求めるマツノザイセンチュウが宿ることとなり、カミキリムシを宿主としてあちこちに広がっていきます。
遡って考えると、これが植生の遷移そのものであり、放っておけばアカマツ林は広葉樹林に遷移すると学んだ、それそのもののように見えます。
これを逆手にとって、アカマツ林を再生し松茸が再び宿る環境を整備した人物がいました。
それが、吉村文彦先生です。
もうお亡くなりになられた先生ですが、その足跡が残っています。
後継者は岩手県下閉伊郡岩泉町の『岩泉まつたけ事業協同組合』、京都の『まつたけ十字軍』(京都府京都市左京区南部「岩倉地区」)にいる模様。
岩泉まつたけ事業協同組合
https://www.ginga.or.jp/matsutake/about/
まつたけ十字軍
https://www.7midori.org/katsudo/kouhou/kaze_archive/miserarete/15/index.html
『さまつ』に会いたいな。
でも、『松茸』なら尚のこといいよね!
今日はここまで
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