DUNGEON HIKER 更新中の様子 2024/09/2の景色
これは簡単だけど奥深いミニチュアゲームを目指して制作中の『DUNGEON HIKER』 の記事です。
「作ってみた」の記事では勢いに任せて制作している様子を書いてます。
ここでは皆さんからのフィードバックを受けて大幅に変更している試行錯誤の状況を紹介します。記載内容が今後リリースされる 版に取り入れられるとは限りません。足掻いている様子が皆さんの笑顔の足しになれば幸いです。なお、今回はルールブックのアップデートを話題にしていますが新しいリリースはありません。
さて、はじめましょう。
捨てる勇気
これは「天才的では?」と自画自賛のアイデアも目的に合致していなければ捨てるしかないのですよね。アイデアに合わせて目的を変更するのも一つの手ですが手段が目的化して良かった試しはないですから磨ける様に整理しつつそっと心の棚に置いておくことにしました。
今回の変更で捨てた点は下記の2つです。
・アクションダイスとスキルダイスを組み合わせないと効果が得られない仕組み
・イベント表でストーリーの進み先を決める仕組み
ゲームメカニクスのダイス目の扱いは制約の設定としては良かったと思うですが組み合わせを考える、工夫するのに「システム全体の理解」が必要なのが難点だと気がつきました。パズルとして最初の入り口が低くないのは出来が悪いので止めました。
アクションは行動に限定、スキルは派手な効果へと役割を明確にして整理しています。
シナリオメカニクスのイベント表は単なるダンジョンアタックでは面白くないのでは?という点とシナリオを作るのが面倒(下手)な自分の問題を解決するために導入してみましたが、物語の進行を管理するシーンに対して「難易度」でバリエーションを増やすのは安直過ぎました。イベントクリアする達成感が弱く、難易度の低いイベントで経験点を稼いで強くなってラスボスに挑む展開も初見のプレイヤーには伝わらないワガママな仕様だと気がつきました。
GPTに相談してみた
作成した版をchatGPT plus を使ってルールブックをファイル登録して "DUNGEON HIKER GPT" を作成しました。
これで英語版への翻訳をする際にルール全体を見渡しながら訳語を考えてもらう様にしたり、単語の翻訳ルールを指定して用語の翻訳ブレを回避しました。
英訳してみるとGPTが構造化し直している事に気がついて日本語側の改善にも役立ったのは作ってみたでも書いたとおりです。
先ずは褒めてもらいました。
・ダイスプレイスメントを使うアイデアは斬新で他に例が少ない
・仲間のキャラクターで攻略するという協力型は複数プレイヤーで楽しめる
・シナリオはシーンの進行で展開が変わることが判り、次のイベントに進む楽しさを提供する
みたいな点を挙げてくれました。褒めてもらうと嬉しいですね。☺️
次にGPTへ改善点の指摘をお願いしました。
・ダンジョン、ファンタジーというテーマで一般的な罠と交渉を加えた方が良い
・判定の組み合わせが複雑なので組み合わせは止めた方がプレイヤーが受け入れ易い
・シナリオの難易度の使い方がユーザーには複雑かもしれない、一本道のダンジョンの部屋をひたすら攻略した方が単純で判り易い
となるほどな〜と感心する様な指摘が多数。TRPGのシステムを参考にコメントしているケースも見受けられました。
試しに itch のユーザーをターゲットに人気作品に見習って 紹介文章を作成してください。とお願いしてみると上手い具合に DUNGEON HIKER の紹介をしつつ、関係ないキーワードを用いてアピールしてくれます。
そこで itch をターゲットにした時にこの表現をなぜ入れたのかなど理由を聞くと GPTがどんな判断をしたのか教えてくれるのでこの辺もゲームを作る上で気づきとなる事も有って面白かったです。
まだ itchは更新していないため紹介文に活かすのはこれからの予定です。
書き直してみた(継続中)
最初に形になってリリースした版からおおよそ4回ほど書き直しています。
1回目
子供向けから大人向け簡易版として0.7版を作成
8ページ以内に収めるためにアイコンなどを使って紙面を整理しました(2024/09/02 現在リリース中)。
アクションやスキルは表にすると収まらないので箇条書きで記載。GPTに学習させて英語版を作成して海外の人へもレビューを依頼。
2回目
簡易版からフルセット版へ 48ページ相当の大作を作成。半分近くはリプレイ的に遊ぶ手順を図解して解説したチュートリアル的な説明を作成。
GPTに学習させて試しにGMの様に振る舞ってもらってゲームの進行を確認するなど内容を確認。
英訳版を作成する時に気がついた構造化した方が良い点を反映。
GPTと紹介文を作成を通じてユーザーに伝えるべき大切な点や構造化について議論。
3回目
GPTを使ってルールブックの記述順と分量について案を確認。GPTの案を参考にしつつ0.8版として表を多用してルールの記載を簡素化。それまでフィードバックをもらっていた遊ぶ時の手掛かりとなる表を作成。読んで判るから見て判るを心掛けました。
この時のまとめ版が0.8.2版。
42ページ程度にまとめた後に8ページ版へ落とし込める事に気がついて8ページ版を作成。
GPTの案は参考にはなりますが間違った事も書いてあるので、間違い探しをして修正しながら使うよりは自分で書いた方が早い感じでした。この辺は学習させればもっと使えるサンプルが出てくるのでしょうが自分の成長に時間を使う事にしました。
4回目
0.8.2版 簡易版で J☆Pコンベンションの方々に参加して頂きテストプレイを実施。海外からのフィードバックも含めて自分だけのテストプレイでは出てこないプレイを参考にして改善を検討。0.8.6版としてゲームメカニクスを大幅に変更(ダイスの組合せの廃止)。
この版でゲームメカニクスを大幅に変更。アクションダイスは行動に使う。スキルダイスは派手な効果を与える事に使う。と役割りを分ける事でダイスプレイスメントを残しつつ「考えるから選ぶ」へシンプルにしました。
終わりに
最新版の状況
これまでの0.8.6版のテストプレイの手応えは
・ダイスプレイスメントはプレイヤーに馴染みがなく、最初戸惑うので今回の割り切りぐらいでギリギリ判ってもらえる難易度かも
・移動出来る機会を増やし、斜め移動OKにして一番弱い敵を先に落とすシビアな条件にしたのでスピードアップと緊迫感が生まれた
・プレイヤー側が強すぎるかもしれないので相手の強さのコントロールを考える
・受けた攻撃とアーマーの関係をなくしてアーマーでライフ増にシンプル化。処理は軽くなって良かったがお互いに攻撃が必ず成功するため対抗判定出来ないストレスやアーマーがある「強さ」の表現として適切なのかやはり再考が必要だった(変更時の予想通りの課題を確認)
現在はもう一つの「捨てる」にあったシナリオメカニクスの変更を検討中です。
方針としてはどこまで深く潜ったのかダンジョンアタックタイプにする事にしました。
初期に「ダンジョンアタックでは物語が生まれないのでは?」と設定してシナリオ表の作成へと向かったので、シナリオ表を止めるにあたり初心に戻って「ダンジョンアタックで一本道でも物語が生まれるシナリオメカニクスにする」と制約を設定して考えています。
これにはJ☆Pコンベンションでのテストプレイのフィードバックで頂いたアイテムを出して愛着が湧く様なキャラクターとの関係を作ってみるとシナリオを作る時に良い材料になるとアドバイスを頂いた事がヒントになっています。アドバイスに感謝します。どんな形でリリースする事になるか未知数ですが今からワクワクして制作に取り組み始めています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
今回は最後のシナリオメカニクスをワクワクしながら作っている事を共有したくて書き始めました。
このエントリーをエネルギー源にリリースに向けて作り込みを進めてまいります。
2024/09/04 0.8.4版→ 0.8.2版 に修正