見出し画像

大羊春秋~羊務執筆者党史~ 第33回

この「大羊春秋」(だいようしゅんじゅう)とは、私 前多昭彦が主宰していた同人誌サークル「羊務執筆者党」(ようむしっぴつしゃとう・略称SSP)の活動を振り返る「回顧録」です。

GELBE SONNE 9〈前編〉

『GELBE SONNE』は作り続けられます。

詳細は次の通り。

『GELBE SONNE 9』の表紙と裏表紙。

『GELBE SONNE 9』(ゲルベゾンネ ノイン)
◎入稿日:平成7(1995)年7月20日(木) ※表紙入稿
     平成7(1995)年7月28日(金) ※本文入稿
◎発行日:平成7(1995)年8月20日(日)
◎B5判・52頁・本文用紙90kg・無線綴じ・1000部印刷(見本誌?部)
◎頒価600円
◎表紙:コート紙・フルカラー
◎ジャンル:男性向
◎内容(ほぼ掲載順)
・表紙&表紙4イラスト/LEONE
・中表紙イラスト/みずきひとし
・目次イラスト/うぃるす
・漫画「問答無用!」(8頁)みずきひとし
・イラスト/岡村杜巳(2点)
・イラスト/九十九K1(2点)
・イラスト/岩崎たつや(6点)
・イラスト/夢職人(2点)
・イラスト/宝゜珠(2点)
・イラスト/まるんべれぃ(1点)
・イラスト/長瀬少佐(2点)
・イラスト/江田島平八(1点)
・イラスト/STi(1点)
・漫画「親子対決 魎呼VS鷲羽」(10頁)新井処う刑
・イラスト/神家処奈他(4点)
・「Vorstellung der Schreiber und Redakteure」(3頁)※編集後記に該当。

やはり題材を一つに絞った方がアピール性が高いと考えられたこと、もう一つの理由は当時、一部のメンバーで「天地無用!魎皇鬼」が話題になっており、このことからも今号はこのアニメの「Only本」となりました。

今号における新たな執筆者の紹介です。
◎みずきひとし
I上と握手0.5秒がNIFTY-Serveの某フォーラムで知り合ったプロの漫画家です。当時、I上がアシスタントへ行っていた縁で私に紹介したことからパイプができ、原稿をお願いしましたが、中表紙と漫画8頁という破格の寄稿になりました。自らの同人誌サークル「STUDIOはまち組」でも活躍中。
Wikipediaにみずきひとしの記事があります。

◎岡村杜巳(おかむら もりみ)
I上がアシスタントを務めていた漫画家Yの元で知り合った、言わば職場の同僚と言えます。その縁でI上を介して原稿を依頼しました。この方もプロの漫画家です。「コミックマーケット」において(回数失念)、わざわざ「SSP」のスペースを訪ねて来て戴き恐縮したことがありました。サークル「劇団げんごろう座」を主宰して同人誌活動をもされています。サインを戴いた単行本『Memories』(富士美出版)は今でも大切にしまってあります。

◎宝゜珠(ぽーじゅ)
I上と握手0.5秒がNIFTY-Serveの某フォーラムで知り合った方。実は本誌掲載の2点のイラストは他所で発表されたものを、I上の案で流用しました。後年、彼は商業誌と同人誌の双方において、とあるジャンルの大家となります。1990年代後半に独自にサークル「2H」を起ち上げて活動を始めると、私は同人誌即売会の売り子などでお手伝いしていました。

◎九十九K1
「コミックマーケット」(回数不明)後の「SSP」の飲み会に、まるんべれぃが連れて来た3名のうちの一人。その後、私が独自に外交を展開して原稿を依頼するに至りました。「スタジオ落柿舎中」というサークルを主宰して主に「ああっ女神さまっ」を題材とした同人誌を発行していました。

◎うぃるす、夢職人、長瀬少佐、STi
4名ともにI上と握手0.5秒がNIFTY-Serveの某フォーラムで知り合った方々。I上を仲介して原稿依頼をしました。

◎新井処う刑
A藤の紹介で面識得たのは前年の平成6(1994)年でした。自らは「初芝電産」というサークルを主宰して現在でも同人誌をされています。九鬼亮一とは古くからの知り合いで、お互いの同人誌に寄稿しあっていました。

表紙はデジタルで仕上げられた、つまり“CG”なのですがデータ入稿ではありません。というのも、『GELBE SONNE 6』は同じデータで入稿したのにもかかわらず、2版と3版で色調が変わってしまっていたため、まだデータ入稿は信用度が低いと判断したためです。
よって当時、中央線沿線にあった「ガイナックス・ショップ」を利用してプリントアウトした物を入稿しました。
ちなみに「ガイナックス・ショップ」とは、あの「ガイナックス」が経営していた今で言う「キンコーズ」のような店で、具体的な駅は失念しましたが中央線沿線にありました。応対などが良く優れた店でしたが、その後、残念ながら閉店しています。後に展開された同名のグッズショップとは違います。

印刷所は東京都北区十条にあった「しまや出版」を利用していますが、ジャンルが“男性向”であるのを憚って名を伏せ「南海南京府印刷」と表記しています。

奥付には引続きサポートNET(BBS)の電話番号が記されています。

初頒布は「コミックマーケット48」です。
【コミックマーケット48】
◎開催日:平成7(1995)年8月18日(月)・19日(土)・20日(日)
◎会場:東京都中央区晴海「東京国際見本市会場」
◎配置場所:20日「ネ-29a」(新館1階)
◎売り子:I上・T中・真衛多昭彦(筆者)

搬入数は1000部? で頒布結果は116部でした。※印刷所からの直接搬入。

当日は委託頒布も行っています。 ※《》内は委託部数
◎握手0.5秒PRESENTS(ヤ-09a)《100》23部
  ※握手0.5秒主宰のサークル。
◎平野米穀店(メ-30a)《50》8部
  ※握手0.5秒の知人のサークル

締めて総頒布数は147部です。
ちなみに、この「コミックマーケット48」は20周年ということで3日間開催されました。

本誌の頒布のため次の同人誌即売会にも参加しました(委託も含む)。
  ※《》内は搬入または委託部数

【コミックキャッスル VOL.6】
◎開催日:平成7(1995)年9月23日(土)
◎会場:東京都豊島区池袋「サンシャイン文化センター ワールドインポートマート」
◎配置場所:「 E-5a」
◎売り子:I上・大島洸一・真衛多昭彦
  《40》6部

◎[委託]「TENASSEN」'95.9.30(土)/東京国際見本市会場
  北洋水師《10》3部
売り子はI上・新井処う刑・真衛多昭彦

【コミックレヴォリューション18】
◎開催日:平成7(1995)年11月23日(木)
◎会場:東京都豊島区池袋「サンシャイン文化センター ワールドインポートマート」
◎配置場所:「P-77B」
◎売り子:I上・真衛多昭彦
  《20》0部

【コミックマーケット49】
◎開催日:平成7(1995)年12月29日(金)・30日(土)
◎会場:東京都中央区晴海「東京国際見本市会場」
◎配置場所:30日「リ-51b」(B館)
◎売り子:握手0.5秒の知人T・T中・真衛多昭彦
  《40》32部

翌年の3月17日に「さよなら晴海!!コミケットスペシャル」が特別開催されていますが、通常開催ではこの「49」が晴海の「東京国際見本市会場」を会場とした最後の「コミックマーケット」です。

「東京国際展示場」(東京ビッグサイト)での初開催となる「コミックマーケット50」ですが「SSP」は落選しています。

【コミックマーケット51】
◎開催日:平成8(1996)年12月28日(土)・29日(日)
◎会場:東京都江東区有明「東京国際展示場(東京ビッグサイト)」
◎配置場所:29日「ミ-36b」
◎売り子:I上(中途帰宅)・Y本・真衛多昭彦

頒布結果は31部でした。

当日は委託頒布も行っています。 ※《》内は委託部数
◎握手0.5秒PRESENTS(ト-15a)《10》3部
  ※途中で5部回収。
◎美黒ソフト(ヌ-37b)《10》3部
  ※13:42全部数回収。

締めて総頒布数は37部です。

【コミックマーケット52】
◎開催日:平成9(1997)年8月15日(金)・16日(土)・17日(日)
◎会場:東京都江東区有明「東京国際展示場(東京ビッグサイト)」
◎配置場所:17日「E-12a」
◎売り子:真衛多の知人S・Y本・真衛多昭彦

頒布物は『GELBE SONNE 9』で6部持込み完売となっています。
なお、これをもって『GELBE SONNE 9』の頒布は終了となりました。

話が前後しますが、常連の申込み者向に通信頒布を行っています。
この通頒のために『SCHAFS NACHRICHTEN vol.18』が送付されました。
発行部数、送付数、申込み者数は資料が無く不明です。
なお、昭和63(1988)年10月31日の創刊以来、8年に渡って発行されてきた『SCHAFS NACHRICHTEN』(シャフス・ナハリヒテン)ですが、この平成8(1996)年2月23日発行の『vol.18』をもって休刊となっています。

かろうじて残っている領収証から「新宿書店」での委託の頒布結果が分かりますので記します。
※委託価格420円(店頭頒価600円)
  ・平成7(1995)年8月=23部(開始)
  ・平成7(1995)年9月=43部
  ・平成7(1995)年10月=26部
  ・平成7(1995)年11月=3部
  ・平成7(1995)年12月=5部(終了)
※8月の委託頒布開始日(納品した日)は不明です。
他にも数店舗で委託頒布を行っていると思われますが、資料が残っていないため省略します。

☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

平成7(1995)年8月20日に本誌を発行して以来、丸2年間は本の製作が無かったことが分かります。
これは作らなかったというより、作れなかったとするのが正確です。原因は
プライベートなことなのでここでは詳らかにしませんが、私に同人誌活動を行う余裕が無くなってきていたからと言えます。

『GELBE SONNE 9』の中表紙。
「問答無用!」より。

《第33回「GELBE SONNE 9〈前編〉」おわり》

※文中敬称略

ご意見・ご感想・ご質問がありましたらお気軽にコメント欄へお寄せください。

次回、「第34回『GELBE SONNE 9〈後編〉』」は1月10日に投稿予定です。