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大羊春秋~羊務執筆者党史~ 第30回

この「大羊春秋」(だいようしゅんじゅう)とは、私 前多昭彦が主宰していた同人誌サークル「羊務執筆者党」(ようむしっぴつしゃとう・略称SSP)の活動を振り返る「回顧録」です。

GELBE SONNE 8〈後編〉

『GELBE SONNE 8』(ゲルベゾンネ アハト)初頒布は、当初の予定通り「コミックマーケット46」となりました。
【コミックマーケット46】
◎開催日:平成6(1994)年8月7日(日)・8日(月)
◎会場:東京都中央区晴海「東京国際見本市会場」
◎配置場所:8日「ヌ-43b」(新館1階)
◎売り子:T中・真慧多昭彦、応援に大島洸一。

搬入数は600部で頒布結果は238部でした。

当日は委託頒布も行っています。 ※《》内は委託部数
◎握手0.5秒PRESENTS(H-31a)《100+20》※1回補充 104部
  ※握手0.5秒主宰のサークル。

本誌の頒布のため次の同人誌即売会にも参加しました(委託も含む)。
  ※《》内は搬入または委託部数
◎[委託]「スーパーComic City IN名古屋No.5」'94.8.14(日)/※会場不明
  夢屋花乃屋《32》〈完売〉 ※九鬼の岩蔵亮一主宰のサークル

◎[委託]「クラブ1993・4」'94.8.?(日)/秦野市文化会館
  S氏の遊園地《20》7部 ※M本の独自サークル。

◎「COMIC LOVERS 1」'94.9.4(日)/東京文具共和会館
  《45》〈完売〉
配置場所は「①」、売り子は私のみでした。

◎[委託]「コミックマーケット47」'94.12.30(金)/東京国際見本市会場
握手0.5秒PRESENTS《30》〈完売〉

通信頒布については次の通りです。
◎無経由直接申込み
  ・1件('94.8.6到着)=頒布数1部
商業誌の通頒広告を経由せず、バックナンバーの奥付連絡先や古い通頒広告を利用しての申込みが時折ありました。

◎通頒案内ペーパー『SCHAFS NACHRICHTEN vol.17』'94.10.15(土)発行
  ・143部発行
  ・128部送付(10.21送付完了)
  ・申込み数80件
  ・頒布数85部(2部申込み5件)

最終的に『GELBE SONNE 8』は「印刷部数600部+見本誌18部」で、総頒布数は542部という記録が残っています。

「第29回」でも述べました通り、当初は本誌も「Only本」になる予定で、題材の最有力候補として「GS美神」が挙がっていました。
そして表紙イラストを穂南ののに依頼する案があり、実際、彼女はラフスケッチを描いてくれたのですが、「GS美神Only本」が没になったため幻の企画となりました。

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『GELBE SONNE 7』(ゲルベゾンネ ジーベン)での大部数印刷にすっかり懲りて、本誌は前号の半分以下の印刷部数である600部にしました。
これはまさに「羹に懲りて膾を吹く」で、極端な減らし方です。それだけ当時は『GELBE SONNE 7』の失敗に打ちひしがれていたということでしょう。
ただ、この「第30回」の執筆(入力?)にあたり頒布記録を読み直してみると、この位の部数の方が無難に頒布できていてちょうど良く思えます。

一方でこれは結果論のようになりますが、本誌に改めて目を通すとこの出来ならば、1000部でも良かったのかもしれません。

くどいですが、『GELBE SONNE 7』での失敗は応えました。大量の残部を早くなんとかしなければという焦燥感、あと、その原因は私の判断ミスなのですから後ろめたさがあり、正直言うとしばらく同人誌活動が楽しくなく気が重い日々でした。
そのような中、平成6(1994)年4月のある日のことです。もう何もかもが煩わしくなり、ふとなんとなく、ぼんやりとですがこのまま消えてしまいたいと思ったことがありました。
この事を冗談半分にA見に話したら「君は死ぬ勇気も無いんだね」という言葉を投げかけられました。A見の人柄が分かるエピソードです。

その他に4月下旬だったでしょうか、M本との間に同人誌即売会への本の搬入に車を出してもらう約束があったのですが、彼が急遽自サークルを優先させ「SSP」との約束を反故にされるというトラブルがありました。

今にして思うと、このような状況でよく『GELBE SONNE 8』を製作できたと思います。
しかし、この無理が祟ったのか、「SSP」の平成6('94)年の新刊は本誌のみで、冬の新刊は製作しませんでした。それとも製作できなかったのか…… 我が事ながらも今となっては分かりません。
なお、冬の「コミックマーケット47」に「SSP」は落選しています。

「朝食はしぼりたてのミルクで」より。
穂南ののによる美神令子のラフスケッチ。
当初、本誌は「GS美神」Only本の予定だったため彼女が描いたもの。
同じく小笠原エミ。

《第30回「GELBE SONNE 8〈後編〉」おわり》

※文中敬称略

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