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大羊春秋~羊務執筆者党史~ 第38回
この「大羊春秋」(だいようしゅんじゅう)とは、私 前多昭彦が主宰していた同人誌サークル「羊務執筆者党」(ようむしっぴつしゃとう・略称SSP)の活動を振り返る「回顧録」です。
羊務執筆者党の休眠期
平成12(2000)年8月13日開催の「コミックマーケット58」をもって「SSP」は同人誌即売会への参加をやめることにしました。これはすなわち活動を停止することを意味しました。
ただ、同人誌活動ではまだ作りたい本があったので、「SSP」を正式に解散するつもりはなかったです。しかし、描き手を募って『GELBE SONNE』や『四面楚歌』を発行する活動は、様々な事情からもうできないと思っていましたし、興味も無くなっていました。
西暦で表すといわゆる「ゼロ年代」に入ります。
この頃、私の同人誌活動というと、前出の宝゜珠(ぽーじゅ)主宰のサークル「2H」の手伝いと、とあるジャンルの同人誌即売会への一般参加でした。
13年間続けてきた自らのサークルの活動をを事実上停止させたことは、なんだか自分は同人誌界の浪人生になったような気がしました。そのためか同人誌即売会へ行きサークルを周ると引け目を感じたものです。
「コミックマーケット」へ行くとお世話になった方のサークルには挨拶に伺いました。その際、非常に恐縮したのは皆さん、御自分の本を気前よく渡してくれることです。浪人中でお返しする本が無い私は、本当に申し訳無い気持ちでいっぱいでした。
いつの「コミックマーケット」かは忘れましたが、岩崎たつや主宰の「御祝堂」に伺った際、彼が自身の本を複数冊渡そうとするので、あまりにも申し訳無く思い婉曲に受け取れないと断わりました。
今にして思うと先方の御厚意を無にしたのですから、これはかえって大変失礼なことをしてしまったと非常に後悔しています。
まさに「過ぎたるは猶及ばざるが如し」です。
私が「インターネット」に接続する環境を持ったのは平成12(2000)年4月、I上にお古のパソコンを譲ってもらったのがキッカケです。ちなみに、これは私にとり言わば3代目のマシンでした。
ただこの頃は、個人の表現の場というと「ホームページ」ぐらいしかなく、プログラム云々に疎い私には、ネット上で「SSP」の活動をという訳にはいきませんでした。
平成17(2005)年3月18日(金)、前出のNの招待でSNS「mixi」に入会します。入会当初はもう本当に夢中になったものです。そして、これが「SSP」の活動が活発な時に存在したら、いろいろな点でどれだけ便利なツールだったかと思いました。
入会してしばらく経ったある日、大島洸一に誘いたい旨を電話で話したら、頑なに拒まれ「あんな危険な所に登録するものではない」説教されました。「個人情報が外部へ流出したらどうするのか」というのが理由です。
しかし、「mixi」への登録には本名も住所も電話番号も記載する必要はありませでした。彼には「SNS」というものが理解できていなかったと思われます。
前出の「マンガ防衛同盟」で知り合った いせゆきの ことYの手伝いで、 平成17(2005)年8月14日(日)に開催された「コミックマーケット68」にサークル参加します。平成12(2000)年8月13日(日)の「58」以来、「コミケ」には一切参加していなかったので5年振りのことでした。
《第38回「羊務執筆者党の休眠期」おわり》
※文中敬称略
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