新しい本の形に触れて
漫画は素晴らしい.
いつ何時どんなに嫌なことがあっても,ふっと力が抜けるような感覚になったり,全く違う世界を生きる主人公に共感して手に汗を握ったりすることができる.
僕はページをめくりながら,次のページでどんな展開が待ち受けているのかを思ってワクワクしてしまうのだ.
スマホやタブレット端末というデバイスが普及したことによって,電子書籍という媒体で読書を楽しむことができるようになった.
つい最近まで,意固地になって紙の本を買い続けた僕だったが,ものの試しに電子書籍で漫画を買ってからよの良さに気づいた.
今回はそのことについて書いて見ようと思う.
1.きっかけ
データで本を買ってみよう,と思ったのは,単純に場所がなくなってしまったからである.
ワンルームの一人暮らしでは,一冊で完結する小説ならまだしも,20巻以上続くような漫画は買い続けていくうちに生活スペースがどんどんなくなってしまうのだ.
まっこと不思議である.
そんなわけで,省スペースでたくさんの漫画を読むため,この機会に電子書籍に手を出してみたのである.
2.電子書籍の普及
さて,実際のところ電子書籍はどのくらい普及しているのか.
下記URLは,全国出版協会が発表した2019年の出版市場データである.
https://www.ajpea.or.jp/information/20200124/index.html
このデータから,紙書籍の売れ行きは年を経るごとにだんだんと減っており(15年連続で減少傾向),その一方で電子書籍がシェアを着実に伸ばしている様子が読み取れる.
しかし,電子書籍が紙書籍に取って代わる存在であるかというと,今はまだその段階ではないようだ.
僕自身,専ら本は紙媒体派である.しかし,前述の通り場所の制約から電子書籍に手を出したわけだが,電子書籍を触ってみて初めてわかった楽しみ方もあった.
ちなみに,後から述べる内容は主に漫画に対して感じた部分である点をご了承いただきたい.
3.電子の良いとこ
触れてみてわかった電子書籍のいいところは3つある.
・場所を取らない
・見開きが綺麗
・地方でも発売日に読める
まず,・場所を取らないについては言わずもがな,持ち運びの手間も省ける.今や一度購入してアプリをダウンロードしてしまえば,スマホからでもタブレットからでも読むことができる.
家の省スペースのみならず,持ち運びのスペースも簡略化できるわけである.
次に,・見開きが綺麗ということについてだ.これは電子書籍ならではの利点とも言える.
一般に,綴じてある本を開くとページの綴じてある部分に沿って深い谷ができる.これをノドという.
見開きで絵が書かれているページでは,このノドによって絵が歪んでしまい,本来の絵とは違う印象を受ける場合があるのだ.
電子書籍ではこのノドがない分,見開きのページは本来の姿で楽しむことができる.特にタブレットで読む時には,この効果が顕著に現れると思う.
また,タブレットで読む場合には単行本で読むより大きなサイズで読めるのも,触れてみてから気が付いた魅力である.
最後に,・地方でも発売日に読めるという点である.
関東圏に住んでいる方には想像がつかないかもしれないが,書籍は店着日が遅いのが地方の宿命なのである.CDは全国一律で発売日の1日前に着くのに.どうなってんだ人類.
電子書籍はその点日付が変わったと同時に発売されるので,そのタイムラグが発生しない.誤ってtwitterなんかでうっかりネタバレを食らうなんてことを考えず,悠々と楽しむことができるのである.
また,購入→読むまでも全く時間が必要ない点も,早く次の話がどうなっているか読みたい人にとっては楽チンな点だと思う.
4.電子の悪いとこ
では,逆に電子書籍の悪いところはどこか.いいところと同じように,3つほど挙げてみようと思う.
・読み飽きても中古で売れない
・デバイス/アプリによって読み応えが異なる
・親しい間で貸し借りができない
・読み飽きても中古で売れない のは,電子書籍の宿命であるように感じる.紙書籍は読み終えた後中古本取り扱い店に売りに行けば,買値の何割かで買い取ってもらえる.
つまり,ある程度資産としての価値があるのだ.
一方で,買い切りの電子書籍には今のところそのような動きはみられない.これは音楽に対しても同じことだ.
・デバイス/アプリによって読み応えが異なる点について,タブレットについては前述の通りである.
しかしいくら持ち運べてスマホで読めるとはいえ,実際の単行本より小さなサイズで読んでしまうと迫力は薄れてしまう.
おまけに最後まで読み進めるとレビューを求められるアプリもあり,読んですぐでそんな急に!ちょっと待って!と言いたくなるのである.
そして,・親しい間で貸し借りができないのは,布教活動においては大きな難関である.これいい!同士を増やしたい!感想を共有したい!と思っても,電子書籍ではそうはいかない.
スマホを渡して,誤操作でとんでもない秘密を知られたら・・・
おぞましいことである.
やはり,余計なことを気にせず読ませたい/読みたい時には紙媒体が最強なのだろう.
5.終わりに
今回はようやく触れた電子書籍について思いを述べた.
僕は漫画については絵がしっかり見られることに感動したので,しばらくは漫画を電子書籍で購入することになりそうだ.
文章中心の書籍については未だ"読んでる感"で紙の購入しているので,気が向いたらこっちも電子書籍版を試してみようと思う.
図鑑とかは電子版の方が綺麗なんだろうか?それも確かめてみたい.
みなさんも外出が難しい昨今,いろんな本に触れてみてはいかがだろうか.
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