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2024映画ベスト10

映画ベスト10は毎年Facebookに書いていたが、今年から書き物はnoteに軸足を移しているのでこちらに書く事にします。

それにしても今年は不作とまでは言わないが全体的に小粒で、周囲で話題になるような超大ヒットや大傑作は少なかったように思う。
興行収入ランキングはほぼアニメと実写邦画に占められていて、洋画の不振が顕著だった。ストライキの影響もあるだろうけど来年は頑張って欲しい。

前置きはこれくらいにして行ってみよう!



1位 ボーはおそれている

思いつく限りの最悪を全て詰め込んだ悪夢のような映画。これと『ジョーカー・フォリ・ア・ドゥ』をセットにしてホアキン虐待フルコースを楽しむのも乙かもしれない。
劇場で2回観たが、2回目は色々な伏線が張り巡らされていたのが発見できて、より楽しめた。(計6時間)
次回作もホアキン・フェニックス主演で『エディントン』を撮るアリ・アスター監督。来年も楽しみだねえ〜。

2位 チャレンジャーズ

幼馴染のテニスプレイヤー2人の再起を賭けた試合と、2人が愛した女子テニスの女王との三角関係を同時進行で見せていく、構成が抜群に上手い作品。
試合展開と3人の人生の浮き沈みがリンクしているアイデアが面白い。
ルカ・グァダニーノ監督作品はあまり水が合わなかったが、これは最高にドンピシャな作品だった。
ゼンデイヤがイケメン2人に抱かれる本作をトム・ホランドはどんな気持ちで観ていたのか気になる。

3位 ロボット・ドリームズ

動物たちが人間のように暮らすニューヨークで、孤独なドッグとロボットの友情を描いたアニメ。
離ればなれになったドッグとロボットが、ラストで選んだ選択が切ない。
劇中で何度も流れるアース・ウインド&ファイアの「セプテンバー」の歌詞が映画のテーマとリンクしていて、より物語を味わい深くしている。

4位 パストライブス/再会

「お互いに好きだったけど、一生を共にする運命ではなかった」という事を、美しいニューヨークを背景にじっくりと確かめ合う男女を描いた、異色のラブストーリー。
「実らない恋愛にも物語になる価値はある」という、新しい価値観を提示した斬新な映画。

5位 落下の解剖学

落下死した夫は自殺なのか?妻による殺人なのか?
裁判で明らかになっていく法廷ミステリー……と思いきや、重要なのは犯人探しではないのが本作の面白い所。
人は何が真実なのかをを知りたがるが、その過程で新たに生まれてしまう悲劇もある。
ザンドラ・ヒュラーの演技は素晴らしかった。

6位 悪魔と夜ふかし

今年も個性的なホラー映画が沢山あったが、これはその中でもアイデアと演出力が光る。
70年代のトークショー番組「ナイトオウル」のハロウィン特集で本当の悪魔憑きが来てしまい…というモキュメンタリーホラー。
番組が始まってからラストまでリアルタイムで進行する構成がすごい。
催眠術をかけられる感覚を映像で表現するシーンのインパクトに驚かされた。

7位 ソウルの春

1979年12月12日にソウルで起こった全斗煥将軍による軍事クーデターを、スリリングに描くポリティカル・サスペンス。
軍内の秘密組織「ハナ会」を率いて政権掌握を謀る全斗煥を悪のカリスマの如く演じるファン・ジョンミンが最高。
反乱軍と鎮圧側を分かりやすくする為にカラーグレーディングを変えるなど、ハリウッド並みに配慮が行き届いていて韓国映画のレベルの高さが伺える。
同時期の混乱を異なる視点から描いた『KCIA 南山の部長たち』『タクシー運転手』も併せて観たい。

8位 哀れなるものたち

フランケンシュタインの怪物の変奏曲であり、無垢な眼差しから見た世界のおかしさと矛盾を暴き出す物語でもある。美術も衣装も音楽も素晴らしく一級の芸術作品。
エマ・ストーンはアカデミー主演女優賞獲れて本当によかったね。

9位 マンティコア/怪物

タイトルのマンティコアとはライオンの胴体と人間の顔を持つ人喰いの怪物である。
この映画はまさに人の心に棲む怪物を描いており、たとえ誰も傷つけていなくても怪物性があるだけでその人は罪人なのか?という問いかけにもなっている。


10位 ザ・バイクライダーズ

60年代のシカゴを舞台に、荒くれバイカー集団の自由で不器用な生き様を描く。
60年代の不良文化が70年代のヒッピー文化によって壊されていく悲哀は『イージー・ライダー』に通じるものがある。
オースティン・バトラーとジョディ・カマーの演技も最高。




以上!
ギリギリ年内で間に合った。
来年も面白い映画に沢山出会える事を願います。

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