EM of EMs になって起こった変化 ①

こんにちは!タクシーアプリ『GO』の madox (@madoxten) です。
この記事は Engineering Manager Advent Calendar 2024 の 14日目の記事です。

EM(エンジニアリングマネージャー) から EM of EMs (EMの方たちのEM) になって「起こった変化」と「実践して良かったこと」を徒然なるままに書きます。


カレンダーのパンク

管掌範囲は 1チーム7名から3チーム27名に増えました。まだ私がEMを兼務しているチームもあるため、体感的に仕事の密度が3倍くらい濃くなった印象です。(Output や Outcome とは別の肌感覚です。)

1on1 は 2~3件/日から6~8件/日に増えました。私の場合は1回25分でカレンダーに設定しています。13:05 のように開始時間を5分ずらすことで切り替え時間を確保し、相手の方と向き合う体勢を整えるようにしています。他の仕事の雑念を払い呼吸を整える感じです。ちなみに月・金曜日は祝日や振替休日でスキップになるケースが多いため、火・水・木曜日に1on1をセットして集中的におこなっています。

ミーティングが埋まっている場合、お昼を食べそびれたりトイレに行きそびれたり、時間の捻出は死活問題?になりました。放置すると、水泳で息継ぎができないような状況に陥ります。ミーティングをスリム化したり、寄せて大きな枠を確保したり、自分の時間をデザインするスキルの重要度がかなり上がっています。

いくおさん (@dora_e_m) のこちらの記事はカレンダーを整える上で大事な考えがまとまっているためオススメです。

定例が増えていってしまうと、どんどん身動きがとれなくなります。

これはまさにその通り!無邪気に定例を設定されると身動きが取れなくなるため、自分が参加すべきミーティングを厳選するようになりました。

ミーティングを見直す際のポイント

  • 要否:ConfluenceやSlackでの非同期なやり取りで済ませられるか

  • 頻度:週次の場合、隔週や月次に減らせるか

  • 時間の長さ:段階的に15分削れるか

  • 時間枠の配置:会議の時間帯を寄せて大きい作業枠を確保できるか

  • 時間枠内の参加時間:前半15分だけ参加などできるか

ミーティングの参加時間を削る際はできる限り合意をとった上でおこない、定期的にチューニングするよう心がけています。

1on1 が増えたことによるメリット

30人を超える方たちと 1on1 をおこなうと、チームや部門を超えた課題や解決策が浮かび上がってきました。ふとした瞬間に点と点がつながる感覚です。サッカーで得点につながる絶妙なパスコースがフッと見えるようなイメージかもしれません。(ほんとか?)

ステークホルダーの増加

経営層や部門責任者の方たちとのミーティングが増えました。水圧高めのミーティングです。20~30秒で重要な回答しなければいけない場面もでてきました。相手のコンテキストを把握しなければ、的確なやりとりができないため、相手への解像度を高める必要があります。

ここで役立ったのが共感マップです。Scrum Fest Sendai 2024 で yokomichi さん (@ykmc09) のワークショップ を受けた後、上司やステークホルダーの方たちに対して作成するようになりました。 (一般的には顧客の Needs や Wants を把握するために使用するケースが多いかと思います。)

Empathy Map Canvas

具体的には miro (オンライン ホワイトボード)に上の図を貼り付け、以下の①〜⑦の項目に対して「事実」と「推測」を異なる色のフセンで書き込んでいきます。

五感や行動に関わる要素
①共感する対象は誰か
②何をする必要があるか
③何を見ているか
④何と発言しているか
⑤何をしているか
⑥何を聞いているか

思考や感情に関わる要素
⑦何を考え何を感じているか
・何に苦痛を抱いているか
・何を求めているか

フセンの数が少ない領域は明らかに解像度が低いため、1on1でヒアリングさせてもらいました。スキマが埋まってくると必然的に解像度が高まり、相手の思考とシンクロする場面が生まれてくます。役者さんが役作りを深めて入りこんだ時のイメージかもしれません。(ほんとか?)

EM of EMs はより多くのステークホルダーと抽象度の異なる会話をするため、部署・職種・役職をまたいで翻訳するマルチリンガル(多言語話者) になる必要があります。この辺りはあらたまさん (@ar_tama) のこちらの記事がすべて言い表されていて学びが深いです。

そして自分の言葉で語るために、言語化力を高める必要があります。
こちらもあらたまさんが言語化筋のエクササイズについて書かれているためオススメです。(言語化の大切さを自分で語らず、あらたまさんの記事に丸投げしてる、とツッコミされたあなた。おっしゃる通りです。)

私の場合は散歩しながら言語化筋トレの大喜利らしきものをしています。スマホに話して、Google Keep の文字起こし機能で書き留めています。

他社のVPoEやCTOの方たちとの対話

他社のVPoEやCTOの方たちとディスカッションや 1on1 をさせていただきました。(もちろんお互いに内容を抽象化&マスキングしながら会話をしています。) 特に組織マネジメントやピープルマネジメントについての経験談は得るものが多く、目からウロコの連続でした。すぐに業務で活かせたものも いくつかあります。

こにふぁーさん (@konifar) が EM候補者に打診する際 事前に用意しているドキュメントは、翌日すぐに応用させていただきました。

田中さん (@godhuu0505) から教えていただいた「どの立場で発言しているか明確にして話す」は日常的に活用しています。私の場合、EM of EMs の立場と兼務中のEMの立場でレイヤーやスコープが異なるため、意図的に「(部署名)の(名前)です」を枕詞にすることで役を切り替えています。(別な帽子をかぶる感覚)

その他、ぴろさん (@piro12vortis)、村上さん (@mstsmrkm)、相澤さん(@tigers_loveng) など多くの方から示唆を得ることができました。今後、いただいたヒントを消化しつつ徐々に記事にしていこうと思います。

惜しみなく知見を提供してくださった皆さん、本当にありがとうございました!教えていただいたことを咀嚼して、職場とコミュニティに還元していこうと思います。

「社外1on1しても良いよ〜」という奇特な方は XのDM (@madoxten)からご連絡いただけるとありがたいです。それではまた!!

P.S. 続編はこちらです。


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