民間療法で育ったわたしと花粉症。タラ・ウェストオーバーを読了して【つくり手であること】
衝撃的な半生が大きな話題となった、Tara Westover (タラ・ウェストオーバー) の本、読みましたか?
2018年に出版されたオリジナルが"Educated: A Memoir"、昨年末に発売された日本語版は『エデュケーション』です。
世界中の人が「タラ ウェストオーバー?誰それ?」となったほど無名の状態だった彼女ですが、想像を絶する人生を経ており、出版後すぐにNew York Timesベストセラーに。さらにミシェル オバマをはじめとする文化人が話題にしたことでロングセラーとなっていました。
詳細には触れないでおきますが、両親の方針で学校に行かせてもらえず、それどころか出生届も出されてないし、病院にも行かない、薬も飲まない、山の上の家で父親の廃材工場を手伝うという生活をしていた彼女の人生はそれはそれは過酷で、まったく事前の予備知識を見ずに読み始めた私は途中で何度も挫折しかけたほど辛い描写が続きました。
私もわりと、自然至高主義だった母の元で病院よりも民間療法や漢方で育ったタイプですが、うちなんて平凡の極みに感じるほどタラの親はエキセントリックなのです。
「昔のアメリカもこういう人けっこういたんだろうな〜」
なんて思ってたら、ある日わたしと同じようにこの本を読んでる途中という見知らぬ人のツイートで、筆者のタラさんがまだ若いという情報に触れました。え...これ、現代の話なの?!
スマホのGoogleに"Tara Westover"と筆者の名前だけ入力して出てきたThe Ellen Showの出演動画を見てあんぐり。てっきり前時代の話だと思っていたのに、筆者はご存命どころか、私より歳下...。
そのことで俄然興味が再熱し、一気に本を終えました。いやはや、タラさんへの尊敬が込み上げてきます。ご興味ある方はぜひ書評などチェックされてみてください。
ここから急に話の目線は庶民に移ります
タラさんほどじゃなくても、民間療法で育った人は少なくありません。前述の通り、我が家も近しい価値観がありました(過去形)
タラの両親のように医者や病院を否定することはありませんでしたが、我が母も自然治癒や免疫の力を信じていたし、西洋医学の薬は対処療法であって、まず口にしていたのは、白湯とか梅とか大根とかお茶とか、煎じた何か。
タラの実家は訪れた友人が驚くほど薬草の香りがしていたそうですが、わたしも遠足に持っていった水筒のお茶を飲んだクラスの子に「何これ、変な味〜」と言われたことがあるし、手の傷を治癒させるオイルでわたしの肌の一部が黄色いことを指摘されたこともあります。
そんな育ちとの関係性は分かりませんが、ありがたいことに健康体で生きてきました。アレルギーや持病はなく、丈夫な胃腸とともに生きてきたものの、都内で勤めていた20代後半から、春になるとちょっとした不調を感じる日が増えました。だるかったり、クシャミが出たり、鼻水もでる。風邪だと思ってお白湯を飲んで大人しくしてると落ち着くものの、外出するとまたクシャミ。
あれ、これもしかして...いやいやまさか。
私に限って、まさかそんなね...。
今思うとばかばかしいほど何年間も否定してましたが、ある日はっきり「スギ花粉症です」と診断されました。生まれて初めて、医者から断言されたアレルギー症状。
身近な友人には、子どもの頃から花粉症というエキスパートも多くて、どの薬が効くとか色々教わりましたが、そもそも薬に慣れてない体質です。効きすぎるのでしょうか、使い物にならないほど眠くてだるくなる。また体質だけでなく思考も薬に慣れてないため、習慣にすることもできないし、春がくる度に薬を飲み続けるなんて無理だ、という自論に至りました。
また偶然ではあるのですが、数年に渡り、食生活を改善したり、生活リズムを見直したりということをしているうちに、春がきてもさほど花粉症の症状が気にならなくなったのです。
花粉症の克服
そのため、花粉症ですか?と聞かれると「治りました」と答えているのですが、それでも、疲れている時や寝不足のとき、あと物理的にスギ花粉が大量の日は症状が出ることもあります。それこそ薬を飲むほどではないものの、集中したい仕事の日はやっかいなのも事実。
昨年は春先にいくつか出張取材もあったので、薬ではない何かを求めて、前から気になっていた漢方茶「ジャムーティー」を試してみたら、クシャミも鼻水もフッと止まるという経験をしました(本当にフッと自然な感じで消える)
(小さじ1くらいをお湯に溶いて飲むジャムーティーなる漢方)
やっぱり体質的に、天然植物由来があってるのかも、と思いつつ、毎年薬が欠かせないほど花粉症に悩む友人たちにも送ってみたところ、彼女たちにも効果があって喜ばれました。
そのときジャムーティーについて自分のブログでも紹介しています。
(泥水なんて失礼な形容をしてごめんなさい)
今年もすでに花粉の季節。もしかしたらまたジャムーティーに頼ることもあるかも、と久しぶりに見てみたら、パッケージがかっこよくなってました。すごいな、売れたのかな。
もしもタラ・ウェストオーバーが花粉症になったら何で対処するのかしら?と想像しながら、今年も愛しき泥水を飲もうと思います。
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映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等の…
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