つくり手であること 08*新聞ごみ袋
おばあちゃんがよく作っていた、とか、古い定食屋さんで枝豆のカラ入れに出てきた、とか、詳細こそ違えど、きっと多くの日本人が人生のうちに何度かは見かけたことがある、広告チラシでつくるゴミ袋。
わたし自身はこれが山ほどある家で育ちました。小さい頃お友達の家に行って、これがないご家庭もあると初めて知った衝撃の瞬間も記憶にあるほど、ウチでは当たり前のものでした。
ただ親の家を出て以降、自分でこれを作ることはありません。でもこれの便利さは知っています。特に近年、プラスチック製品を生活の中から減らすプラスチックフリーを進めていくと、ゴミは使い捨てできる紙の入れ物に集めてそのまま捨てるが最適解だったと、このチラシのゴミ箱のポテンシャルを今更にして思うのでした。
少し前にこんな記事を書きました。
そう、チラシの箱が常備されている家で育った私ですが、おすすめはチラシよりも新聞紙です。
ビニールのゴミ袋の機能が丸ごと紙製に置き換わることは現時点では難しいことですが、それでもある程度までなら置き換えられるし、場合によっては紙の方が良いじゃんというメリットもあるんです。この記事では主に、キッチンで調理をするときに出る生ゴミ用として、カウンターや卓上で使いやすい形をご紹介しました。
もしよかったらぜひ一度お試しください。
それでもチラシの箱に愛着がある人には進化系を提案したい
「そうはいってもチラシの箱のあの感じに愛着があるのだ」と言う方もいるかもしれませんね。個人的に元祖チラシ製ごみ箱は、底の不安定さと、あと、容量があるようで無いというか、入れたゴミを浅く広げなくてはいけないのでゴミが丸見えになるのが苦手でした。そこで(これほどチラシの箱について考察してきた人も少ないかもしれませんが)チラシの箱が好きという方には、少し高さを出した進化系バージョンを提案したいと思います。これなら、私と同じような意見をお持ちの方にも気に入ってもらえるかもしれません。
進化系はこんな感じです。
ね、これなら、高さがあるのでゴミがあまりむき出しになりません。みかんの皮みたいに丸くできるならいいけど、かじった枝豆のカラとかブドウの皮、もしくは集めたホコリや髪の毛のようなゴミも丸見えにならない方が暮らしのQOL(クオリティ オブ ライフ)が上がるってもんですよね。
というわけで作り方をご紹介しましょう。
ここまで言っておいてなんですが、手元にチラシがないため、ここでも新聞紙を使います。箱ひとつに新聞紙1枚でOK、作り方も途中(下記手順4)までは、元祖チラシの箱と同じです。
1)1枚を新聞中央ラインで折り、さらに折った状態から始めます。
2)右半分に折り、
3)袋状に広げます
4)両方とも広げたら、袋状にした面が内側になるよう折り返します
この次からが進化系のポイントです。
5)上の1枚を右から中心線までおります。でもここでは折り目をつけるだけ。
6)底になる三角を 5)の角度に合わせて、中心線を揃えて折ります。これも折り目をつけるだけ。
7)いま6)で折った線まで、そこの三角を下げております。ここが底になります。
8)次に5)で折った右側も中央線を超えて、先ほどの折り目(点線)が、7)でつくった三角の端っこ(実線)に揃うところまで折り込みます。
9)左側も同様に揃えて折り、裏側も同様に左右を揃えております。
10)上下を変えて、入口側の処理をします。ただ折るだけでもいいですが、進化系では、この部分がヒラヒラしないように角をしまうスタイルがイケてると思います。
11)下の紙のラインに合わせて一度手前に折っておくと
12)すっきり折り返して内側にきれいにしまうことができます。裏側も同じようにしたら
13)そっと底を広げて完成です!
底の不安定さが気になる場合、チラシの一枚を三つ折り&半分にしたら角までピッタリ敷くことができました。
たかがごみ箱、されどごみ箱
繰り返しになりますが、ここほどまでに卓上の紙製の使い捨てごみ箱にあーだこーだ言ったり考える人もさほどいないとは思うのですが、でも、ちょっとだけでも、今までの人生で考えたことないことや、気にしたことがないことを気にしてみると、素晴らしい効果があると思うのです。
案外わたしたちの日常は、あっという間に、いとも簡単に意識や視界が狭まりやすいと思いませんか。だからこそ、あえて意識的に自分の脳を試すような、脳の期待を裏切るような感覚で新しいことをしてみるって良いですよね。
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映画監督松井久子が編集長となり、生き方、暮し、アート、映画、表現等について4人のプロが書くコラムと、映画づくり、ライティング、YOGA等の…
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