「地面師たち」から学ぶ、人間らしさ
こんにちは、まどかです。
年末年始、皆さんはどのように過ごされましたか?
私は1月4日から仕事始めを迎え、だいぶ日常のペースが戻ってきました。
この時期、多くの人が「年内最後」や「新年最初」といったフレーズを使いますよね。
でも、その度にふと考えるのです。
「年末年始って、本当に特別な区切りなのだろうか?」と。
今回は、Netflixドラマ『地面師たち』のセリフをきっかけに、
私たち人間が自然や時間、出来事に「意味づけ」を行うことについて
掘り下げてみたいと思います。
土地も時間も、本来はただそこにあるだけ
ドラマ『地面師たち』を見た方なら、
第5話の23分あたり「土地はただそこに存在しているだけ」
というセリフを覚えているかもしれません。
これは、ハリソン山中がウイスキーを飲みながら語った言葉で、
私の中でも強く心に残っています。
このセリフは、「土地」だけに留まらない普遍的な真理を含んでいると思います。
それは、時間も同じです。
自然そのものには「年末」や「新年」といった区切りはありません。
ただ日が昇り、沈むだけ。
それなのに私たちは、暦という概念を作り、
それに基づいて「今年最後」や「新しい年の始まり」
という意味を付け加えています。
意味づけによって生まれる安心感と焦燥感
こうした「意味づけ」は、人間が文明の中で生きるための知恵なのだと思います。桜が咲いたら「春が来た」、雨が続いたら「梅雨が始まった」といった具合に、
無秩序な自然の中に秩序を作り出し、不確かさから逃れようとする行為。
これが文明そのものの本質かもしれません。
けれども、この意味づけが時に私たちを翻弄し、苦しめることもありますよね。
クリスマスが近づくと「恋人と過ごさなきゃ」
年末になると「振り返らなきゃ」
年始になると「目標を立てなきゃ」。
梅雨入りの発表を聞いて「これから嫌な季節が始まる」と憂鬱になったり。
文明による安心感が、逆にプレッシャーやストレスを生む矛盾があるのです。
意味づけの力がもたらす可能性
ただ、意味づけにはポジティブな力もあります。
それが「レジリエンス(心理的回復力)」を高める力です。
困難な経験に対して「この経験には意味がある」と再解釈できる人ほど、
困難を乗り越える力が高いと言われています。
たとえば、失敗を「ただの失敗」として終わらせるのではなく、
「次に成功するための学び」と意味づけることで、前向きに行動を続けられるようになります。
年末年始の区切りも同じように活用できます。
単に「今年最後の日」「新しい年の始まり」と捉えるだけではなく、
「自分が本当に大事にしたいことを見つけるきっかけ」として意味づけることで、新しい視点を得られるかもしれません。
私たちは「無意味」に耐えられない
ただそこに存在しているだけの土地に
所有の概念を持ち込み、
ただ流れているだけの時間に
区切りをつける。
特に、不動産を生業にしている私にすれば
そういった人間の本能をぶっ壊した愚かさの上に、私の生活が成り立っているのです。
人間は自然そのものではなく、文明の中で生きる生き物です。
そして、その文明による意味づけは、
私たちが「無意味」に耐えられない生き物であることを物語っています。
だからこそ、その意味を主体的に選び取ることが、
あなたにしか生きれない人生を生きる、鍵になるのだと思います。