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英国庭師修行日記 (3):楽しくしあわせな暮らしを求めて
キルクルスメルマガNo.64
<2025年1月22日配信>
こんにちは。
キルクルスの藤田 円です。
月の満ち欠けにあわせて配信するキルクルスのメルマガ。
本日、下弦の月の日にお届けするのは、アロマテラピーと自然療法の専門誌「アロマトピア」で連載していた「英国庭師修行日記」です。
私が自然療法に出会うきっかけとなった渡英。
今から24年前、英国では3つのお屋敷でガーデナーとして働いていました。
〈前回までのお話〉
最初の赴任先はかの有名なロスチャイルド男爵のお屋敷「ウォデスドン・マナー」。
贅をつくしたお城の歴史について簡単にご紹介しました。
さて、私がこのお屋敷にやってきたわけとは?
楽しくしあわせな暮らしを求めて
私はここへナショナル・トラストの運営とガーデニングを学ぶ研修生としてやってきた。
もともと「楽しくしあわせな暮らし」に興味があり、それを営むための空間を作り出す建築を勉強したが、実際の建築の仕事は、田畑や里山などの自然環境や趣深い古い建物を壊し、人工的な物へと替えていく作業であることに疑問を感じ、新たな方向へと進むことに決めた。
(とは言え、後にイギリスの教会建築家のアシスタントとして、教会や納屋などの古い建築物の改修などに携わることになる。このときの仕事は、建築家として思い描いていたとおりの楽しい仕事だった)
当時ボランティアをしていた歴史環境と自然環境を守るイギリスで始まったナショナル・トラスト運動を日本でも推進している団体で、仕事の機会を頂いた。
日本中の里山や古い建物やその保全などの市民活動をしている団体の方たちと触れ合う中で、自然と人間の大切なかかわり方や暮らし方を学び、体験し、「楽しくしあわせな暮らし」のアイデアがなんとなく見えてきたころ、英国ナショナル・トラストとの合同プロジェクトであるイギリスと日本のボランティアが一緒に森の保全活動をするワーキング・ホリデイに参加することになった。
そこでは“ホリデイ”という名のとおり、休日や有給休暇を利用し、森の中で昔から変わらぬ風景を後世に残すために体を動かし、自然や歴史を愛しそれを活用する人々と毎日を過ごす、その生活スタイルと心意気にカルチャーショックを受けた。
近代的な建物や生活、それを得る消費活動のために自らを犠牲にし、お金を求めて走り回っている東京での生活が、人間の営みとして不自然に思えた。
歴史環境が守られた空間で楽しそうに働く仲間を見て、「地域の素材で作られた町並み、自然と歴史の中にいることで理想的な日々が送れるのでは?」と思った。
でもそれは、自分で体験してみないと分からない。
「さて、どうしたらいいのかしら?」と思いながら数日が過ぎた。
そんなある日、訪れたのがウォデスドン・マナーだった。
キャンプ期間中は数日に1回遠足と休息を兼ねてみんなで近くのナショナル・トラスト地を見学に行く日があった。
ヘッドガーデナーが庭園を案内してくれたときに「こんなすてきな所で働きたい」となんとなく言ったのが運命の魔法の言葉となり、「庭の仕事を手伝ってくれるなら」という条件で2001年5月から1年間、ウォデスドン・マナーでの滞在が決まった。
(つづく)
連載「英国庭師修行日記」第1話 憧れのイギリス生活スタート(アロマトピアNo.121 2013年)より一部改訂
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2000年の秋に参加したワーキングホリデイ「日英合同エーコンプロジェクト」
両国から6人ずつの12名でキャンプしながら作業をした楽しかった日々
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