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英国庭師修行日記 (1)

<2025年1月7日発行メルマガより>

新年おめでとうございます。
キルクルスの藤田 円です。

2024年は新月と満月に
ヘナのメルマガを配信してきましたが、
今月からは新月、上弦の月、満月、下弦の月
といった月の満ち欠けにあわせて
皆さんにメルマガをお届けします。

本日、上弦の月の日にお届けするのは、
アロマテラピーと自然療法の専門誌
「アロマトピア」で連載していた
「英国庭師修行日記」です。

私が自然療法に出会うきっかけとなった渡英。
2001年から8年半の間、
英国では3つのお屋敷でガーデナーとして働いていました。
その頃のお話です。

ついにイギリスにやって来た!


緑の丘が続き、その上には
青い空に浮かぶ真っ白で大きな雲。
その雲はあまりにくっきりと見え、
まるで3D映画のように
私の乗っている車へと迫って流れてくる。

こんなに大きく広がった空を見たのは初めてだ。
そう、ここはイギリス。
なだらかに続く丘と広い空、
この景色の中で生活することに憧れて
ここまでやって来た。

左手に見えてきた丘の上に立つ
フレンチシャトー風の建物、
ここが今日から私の家となる。

とは言え、私はこのお城に住むのではなく、
正確に言えば家はお城の敷地内にある
ステイブル(Stable)と呼ばれる馬小屋だ。
馬小屋とは言っても、
ここは私にとってお城以上のもので、
建物のデザインの美しさも佇まいも環境も
ビックリするような所だった。
昨日まで住んでいた東京の集合住宅とは大違い!


ステイブルはコートヤードを囲むように建物がコの字型になっている。コートヤードの中央には馬の銅像がある。写真の右上が私が住むスチューデント・アコモデーション



部屋に入りベッドに横たわると、
「私、本当にここで生活するんだ!」と実感し、
感激の涙が込み上げた。

緊張いっぱいの長旅からの解放もあったのか、
気がついたら眠ってしまっていた。
念のため言っておくと、
ベッドはハイジのような干草ではない。
馬車も使わず、屋敷の住人もいない
現在は馬の影はなく、建物はそのままに
内装だけを改築したカフェや事務所で、
その一部がシェアハウスのような
宿泊施設となっていた。
(つづく)

連載「英国庭師修行日記」第1話
憧れのイギリス生活スタート
(アロマトピアNo.121
2013年)より一部改訂


次回の配信は1/14 満月の日です。

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