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目で見る山川の日本史の教科書 国立歴史民俗博物館

ぜひ訪れた方がいいと知人から勧められていた国立歴史民俗博物館に行きました。その知人に感謝、感謝です。
この博物館は「歴博(れきはく)」というようですが、千葉県の佐倉市の佐倉城址公園にあります。なぜ東京から電車で1時間もかかる佐倉に設置されたのかよく分かりませんが初代館長は山川出版の「日本史」の執筆者の井上光貞氏です。ある世代以上では馴染みのある名前だと思います。
これまで行こうと行こうと思っていましたが、都内から遠いこともあり、訪れる機会を逸していました。
5月2日のGWの中日、仕事が休みだったので、「そうだ、今日は佐倉に行こう」と思い立ち車で行くことにしました。
歴博は高速の佐倉ICから15分ぐらいの木々で覆われた丘陵地にあり、駐車場も広く、平日の午前中だったせいか駐車待ちすることなく停めることができました。

入り口に向かうスロープ
企画展

展示室は第1室から第6室まであります。第5室は修繕中ということで閉室でした。

入り口にあるマンモス

展示室に入って驚いたのはジオラマや模型の展示が多く、説明も非常に分かりやすいことです。文字で読むより3Dが脳裏に焼き付きます。
日本人のルーツから、縄文時代の人の一生や集落の様子、稲作の伝播に伴い集団活動からリーダーが生まれ、集団間の争いに勝つために鉄器が必要になり、などなど日本史の教科書で無味乾燥に読んだ内容が生き生きと蘇ってきます。縄文時代や弥生時代は入試にでないからろくすっぽ読んでいませんでしたが、縄文人・弥生人の生活にとても興味を惹かれました。

地域ごとの縄文土器
縄文時代の食材
縄文時代の集落のジオラマ
稲作の伝播
各地の銅鐸
鉄器の必要性がわかります
集落の防衛
古墳

まだ第1展示室だけなのに、情報量が多すぎて消化しきれません。鉄といえば故郷の「たたら」ですし、銅鐸というと実家近くの加茂岩倉遺跡ですので、なるほどねえ、と呟きながら展示物とその解説をじっくりみました。
これまで民俗学という学問には縁がありませんでしたが、民俗学の視座から日本史を眺めるとこのような展示になるのかあ、と日本史の記憶がシャッフルされるようです。教科書の文字で読んだ内容がホログラムのように浮かび上がってくるような感じです。


第2展示室に移ると、平城、平安の宮に来た感じです。大河ドラマで観る貴族の館の構造が模型で分かります。

地図・地形好きにはたまりません
多賀城のジオラマ
貴族の館のジオラマ
平安京の立体地図
鎌倉の立体地図
武士の館
瀬戸内海の航路


第3展示室は近世。庶民の京の家々の模型に見入ってしまいます。

京の町
京の町
京の町

江戸の町並みの模型もあり、細かい作り込みをじっくり見てしまいます。

江戸
街道の整備
北前船
朱印船

第4展示室は、山川の日本史には出てこない妖怪などが展示されています。三越のおせち料理も(撮影不可)。

残念ですが閉室でした
第6室

第六展示室は戦争関係が展示されていました。この段階で、圧倒的な視覚的情報量に疲れてしまい、腹も減ったのでレストランに行って「古代カツカレー」をいただきました。

古代カツカレー

近現代についてはいろいろな媒体を通じて見聞きしていることが多く、自分にとって新たな視座ではありませんでしたが、民俗学というこれまで縁がなかった視点での縄文人・弥生人の生活・風俗や、精巧に作られた多くの模型・ジオラマには「なるほどねえ」「おお、これはすごい」と唸りながら見て回りました。
都心から離れた佐倉にあるせいか、外国人は2人しか見かけず、インバウンドで賑わうトーハクと大違いでした。日本を知ってもらう良い施設だと思います。

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