マリー・ローランサンの挿画 デュマの椿姫
前日の雪模様が嘘のような快晴の日曜日の朝、京橋のアーティゾン美術館のマリー・ローランサン展に行きました。晴天とはいえ東京の真冬らしい冷え込みのせいか、あるいは日曜日の朝一番の時間帯のせいか、美術館には人が少なく、その優美で淡い色彩の空間に静かに浸ることができました。
これまでマリー・ローランサンの作品を多く観たことはありませんでしたが、本の挿画を多く手がけていることを初めて知りました。
その中にデュマの椿姫があることも。
デュマの椿姫は高級娼婦を描いた小説で、それをもとにイタリアの作曲家のヴェルディがオペラ「ラ・トラヴィアータ」を創作しています。
挿画は12枚ありました。色彩は柔らかく同じようなモチーフなので小説のどの箇所に描かれていたのか気になります。
個室形式の展示室には12枚の挿画に加え本もありました。他の人がいないことをいいことにトラヴィアータの「乾杯の歌」のメロディをふんふんと鼻歌してしまいました。
椿姫は物悲しい小説・オペラだと思いますが、挿画を見ているとそんな気になりません。
他の作品も暗さや悲壮感などはなく、観る者の気持ちを優しくしてくれるようです。
外は底冷えする天気でしたが、気持ちが暖まってくるような展覧会でした。まったりとした日曜の朝に行ってよかったです。