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ウナギの完全養殖はいつ可能になるか
養殖ウナギと言われているウナギは、実は天然の稚魚であるシラスウナギを海で採りあげ、それを養殖しています。完全な養殖ではありません。
ウナギの生態はよく分かっていませんでした。「ウナギはどこで産卵するか?」という謎は古代ギリシアのアリストテレス以来の謎でした。
このシラスウナギの稚魚はレプトケファルスといいます。このレプトケファルスをたどって産卵場所が解明されたのは2006年のことです。
当時、関係者は海洋船でレプトケファルスを採取し調べていました。ニホンウナギのレプトケファルスの骨は128本ですので、似たようなものが採取できても、残念ながらニホンウナギのそれではないこともありました。
レプトケファルスの耳石(じせき)には、樹木の年輪のようなもの(輪紋)があり、1日で1輪増えていきますので、この「日周輪)を数えることで生後何日目かが分かります。そして、産卵後7日まで近づきました。
こうした関係者の長年の根気のいる調査によって分ったことで、マリアナ海嶺にあるスルガ海山あたりであることが突き止められました。天然卵が採取されたのは2009年です。2009年に世界で初めて31個の卵を採取できました。産卵時のことはまだ分っていませんが、新月の2~4日前にほぼ同一の海域で毎晩産卵していることが分ってきました。
ウナギ資源は激減しており、シラスウナギの密売もニュースになっています。絶滅危惧種に指定されるとウナギを食することができなくなってしまいます。
ウナギの生態が解明され、養殖用の餌や飼育装置などが開発され、完全養殖が実現することが待たれます。