秋の京都の寺巡り⑤ 南禅寺
京の寺巡りの最後は南禅寺。青蓮院門跡から歩いて向かいました。朝の底冷えも和らぎ、着ていたダウンでは汗ばむぐらいです。参道入り口には湯豆腐の店が並び観光バスも多い京都でも屈指の人気の名刹です。
大徳寺は「茶人面(づら)」、東福寺は「伽藍面」と京都の人から言われてきたようですが、南禅寺は「武家面」と言われてきたようです。がっつりした三門を目にすると、上手いこと言うものだと京都人のウィットに微笑んでしまいます。
三門は登ることができますが、煙と馬鹿は上に上りたがる典型的な私ですが、歩き疲れていたので断念しました。
石川五右衛門が見下ろしながら大見得をきったと言われている三門の上からの眺めは次回にとっておくことにし、目当ての方丈に向かいました。
方丈には狩野派の屏風絵があります。撮影はできませんが、写真を撮ることに気をとられてしまうので、かえってじっくり鑑賞することができました。屏風絵は美術館で展示品として見るより、お寺で木造建築や庭園と一緒に据えられているままに見るのがいいと痛感しました。
紅葉に映える南禅寺もいいですが、屏風絵を見るために再訪したいと思います。
南禅寺の敷地の中にある天授庵に行きました。盛りを過ぎた深い紅色の紅葉と深緑の庭のコントラストが印象的です。
南禅寺には参道に湯豆腐の店が集まり、琵琶湖疎水の水路閣もあり、観光客で賑わう京都でも屈指の観光スポットでした。次は桜の季節に春の柔らない光の中で狩野派の屏風絵を見てみたいと思いました。
その時には三門の上に登って「絶景かな、絶景かな。春の眺めは値千金とは小さなたとえ、この五右衛門が目からは万両」と石川五右衛門のように大見得は切る度胸はないですが、小声でつぶやいてみたいものです。