マガジンのカバー画像

記憶のエッセイ

7
運営しているクリエイター

#病室

父との永遠の別れ

父との永遠の別れ

4月30日、父親が73歳の生涯に幕を閉じた。父親が亡くなって、もうすぐ1カ月が経つけれど、今もまだどこかで生きているんじゃないか?という気持ちが消えない。私の心は、狐につままれたまま、今もまだ身動きがとれないでいる。

今のこの気持ちを言葉にすることで、自分の気持ちを整理したいと思っていたけれど、なかなかパソコンを開けずいた。父親が残していった祖父母の家を整理しながら、少しずつ自分の気持ちを前も進

もっとみる
2週間ぶりの父との再会

2週間ぶりの父との再会

「あと何回父と会うことができるだろうか?」
入院している父の面会に行く度に、そんなことが頭の中を駆け巡る。

2週間ぶりに会う父の顔は、前会った時よりさらに瘦せこけて腕の皮膚はしわがよっていた。こけた顔のせいで、目が飛び出しているかの様に見えた。

目の前にいる父は、入院する前にあった時とはまるで別人になってしまった。入院して一ヵ月、元気だった時の面影はない。人はベッドの上で生活をしていると一ヵ月

もっとみる
普通の日々を届けたい

普通の日々を届けたい

「人は病に勝てるのか?」そんなことが、2週間前からずっと頭をぐるぐる巡っている。

父が入院した日から一週間後、担当医師から電話口で告げられたのは「最悪の場合を覚悟してください」という内容だった。

私は突然の知らせに驚くとともに、4月から始める予定だったライターの仕事をストップして出来るだけ父を応援し、家族を優先することにした。とはいっても、今はコロナで面会が一週間に2度。

「今、父にしてあげ

もっとみる