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エッセイ『36歳、いつまでもどこまでも』(仮題)

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#コーヒー

おいしい珈琲屋さんは考えることをやめない

苦くない珈琲なんて、ないと思っていた。 白金台の路地裏にある珈琲屋さんで、私はそんな珈琲を知った。仕事の打ち合わせでお店を初めて訪れたのは、未知のウイルスによるステイホーム期間が明けた、2020年の夏のことだった。 商店街の紹介冊子を作る企画にメインライターとして参加することになった私。店長さんが商店街の広報担当とあって、自然とその珈琲屋さんが打ち合わせ場所として選ばれた。 うさぎの名前を冠したそのお店の扉を開けて、真っ先に目が合ったのは、学究肌の人特有の雰囲気を備えた