三日坊主日記 vol.189 『スペシャルセイバーという困ったチケット』
はじめて国際線のチケットを自分でとった。
とったというのは、もちろん自分で予約して自分で買うということである。これまで何度も海外へは行ってるが、そのほとんどがフリーランスの演出家として仕事での渡航なので、プロダクションの人がとってくれていた。また、映画祭や広告祭へ行くときはエージェントがいてちゃんと手配をしてくれるんで、僕らは支払いだけすれば良い。
プライベートで行く時も、旅行会社を営む知人がいたので、ずっとその人にお願いしていた。しかし、今回は最初からJALを利用するつもりだったし、貯まったマイルでアップグレードして行こうと思ってたんで、自分でとることにした。はじめてのおつかいである。
僕は何か新しいことをするとき、下調べをほとんどしない。いや、自慢しているわけではなく、どちらかといえば反省すべきことなんだけど、とにかく下調べをしない。今回も下調べをせずに国内線を予約するのと同じ調子ではじめた。
行き先と日付を入力して検索すると、その日の便と料金が表示される。まだ二ヶ月近く先の予定なんで空席は十分あるようだが、時間によって料金にはばらつきがある。希望の時間を指定。復路も同じく指定して終了。あとはパスポート情報を入れ、支払うだけ。キャンセル不可。変更には手数料がかかるらしいが、先のことを考えても仕方ないんで、さっさと支払いまで済ませた。
距離の割にはまあまあの値段だけど、それでもずいぶん安くついた。その分ちょっといいホテルに泊まれるのだ。さあ、一気にアップグレードまでしておこう。と、思ったが、どうしてもそれができない。というか、インターフェイスを見ているとできる気配すらない。仕方ないんで、後日コールセンターに電話して直接聞いてみることにした。
JALのお姉さん曰く。僕が購入したのは、スペシャルセイバーというお得なチケットでアップグレードはできない。座席指定も基本できなくて、チェックインの際に空いていれば指定できる。払い戻しは不可。変更は有料で可。ということだった。なかなか不自由なチケットである。今回も下調べせずに、とりあえずやってみたのが良くなかったようだ。悔やんでも仕方がないんで、お姉さんに何か方法はないか聞いてみた。
払い戻しはできないので、追加料金と手数料を支払っての変更になる旨を念押しされた上で料金を調べてくれた。まず、事前座席指定ができるエコノミークラスへの変更は2名分で4万円ほど。非常に微妙な料金設定だ。事前座席指定はできるが、望みの席が取れるかどうかは分からない。果たしてこの4万円は高いのか安いのか。そして、マイルでアップグレードできるエコノミークラスへの変更は2名分で10万円を超える設定。いやいや、それなら最初からプレミアムエコノミーかビジネスクラスを買ってるやん。と、言いそうになったが、やめた。
またやってしまったのである。自業自得とはいえなかなか厳しい。が、わけのわからん追加料金を払うのは悔しいんで、今回はこのままこの不自由なチケットで行くことにした。この教訓を必ず次回に生かすのだ、と心に誓って。
と言いながら、次回も同じことをしてしまうような気がするのだ。忘れないように、タトゥーにして手の甲にでも入れておこうかと思う。