三日坊主日記 vol.314 『恋する梅干し(仮題)〜はじめの第一歩①〜』
和歌山の梅農家へいってきた。
南高梅で有名な日高郡みなべ町。大阪の中心部からずっと高速道路で1時間と45分ほど。まあ、近くはない。梅や梅干しのことを勉強してから訪れるつもりだったけど、そんなこといってたらいつまで経っても前に進まないということで、ほとんど勉強せずにいった。
暑くもなく寒くもなく、秋晴れの最高の天気。11時ごろに現地に着き、まずはご主人の案内で畑へ。車で少し走ったところから山の中に向かって、軽自動車一台がギリギリ通れるかどうかという道をずんずんと登っていく。右を見ても左を見てもこの辺りの山はほとんどが梅畑。春になるとさぞかしキレイなんだろう。少しハンドル操作を誤ると脱輪しそうな道をさらにしばらく進んだ突き当たり、山のいちばん奥にその畑はあった。
頂上の防風林を残して斜面をすべて切り開き、梅の木だけを植えてある。だから山奥なのにとても日当たりがいい。いまの時期梅の木は落葉して枝だけになっているので、風通しも見晴らしもとても良いのだ。他の農家の畑は大きく太い老木が多いのだけど、この家の畑は若い木が多い。だから余計に見晴らしがいいのだ。
実の成る木はどうしても寿命が短くなってしまう。毎年成る多くの果実に栄養分を使うからだ。従って梅の木も年々歳をとり、実の成る数が減ってくるそうだ。だから本当はあまり歳をとる前に植え替えるのが良いのだけど、とんでもない労力がかかるから(割に合わないから)、皆やらない。その皆がやらないことをこの家ではやっているのである。
梅畑の斜面を降りさせてもらったが、とても急でよく滑る。こんな場所で一日仕事をするんだから本当に大変だ。花が咲いたら蜜蜂を放して受粉させ、害虫を駆除したり、雑草を抜いたり、野獣から守ったり、肥料をやったり、水をやったり。そして実がなったら収穫をする。収穫が終わったら梅の加工に入るんだけど、畑に仕事もまだ終わらない。来年に向けての剪定作業、肥料やり、そして老木の植え替え。ざっと話を聞いただけでも頭がクラクラしてくる。
畑を後にして今度は梅干し作りの作業場へ。ここからは奥さんにバトンタッチするのだけど、もうこの奥さんの梅干し愛がすごいのだ。僕がいくからといろいろと準備をしてくれていて、もう梅三昧。梅愛溢れる後半のことはまた後日書くことにする。
明日は上映会。少しでも多くのお客さんが来てくれますように。
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