三日坊主日記 vol.150 『会社の代替わりと新しい仕事』
ある会社が代替りをした。
詳しくは聞いていないけど、その新しい社長になる人が、親の代に会社の切り盛りをしていた人たちの悪事を嫌って一新するという。これを機に会社のイメージも一新したいからイメージ映像を作って欲しいというオファーが来た。
なんだか最近わりとこの手の話をよく聞く。代替わりのついでに膿を出してしまおうという作戦なのか。だとしたら、膿なのになぜもっと早くに出してしまわないのか。そもそも何を以って悪事というのだろうか。何か出せなかった理由があるのだろうか。そうではなく長年働いてくれてありがたいが、新しい経営者が古い人たちを使いにくいんで、代替わりのタイミングで辞めていただく場合もあるだろう。
僕の知人にこんな話を聞いたことがある。祖父が創業した会社を継いでいたお父さんが急逝して、知人が継ぐことになった。その時まだ20代後半。財務状況をみると酷いものだったらしい。祖父の時代の羽ぶりが良かった頃の重鎮たちが、景気が悪くなってからも当時の放漫経営を続けていて、破綻寸前だったそうだ。その時、会社を立て直す苦労よりも、重鎮たちに辞めてもらう苦労の方がずっと大きかったそうである。
組織も、隅々まで代表の目が届く規模のうちは良いけど、そうじゃなくなると大変だ。能力が高くても自分のことしか考えない人もいるだろうし、その逆もいるだろう。いろんな個性を持った人が何年も何十年も一緒に過ごすのだから、考えただけで気が遠くなる。
昨日の日記に書いた、宮大工の棟梁西岡常一さんの言葉、「棟梁は、木のクセを見抜いて、それを適材適所に使う」「木を組むには人の心を組め」が正に真髄なんだろう。言うは易く行うは難し。
僕にオファーをくれた新社長は、上手く人の心を組めるだろうか。是非組んで欲しいと願うのである。
そして僕は、僕が作るイメージ映像が少しでも会社の役に立てるよう全力を尽くす。スタッフの心を組んで。