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トヨタ自動車様とワンチームでDX化を推進!マクロミルでも異彩を放つDX推進部門の挑戦とは

マクロミルは、創業以来、主要事業であるマーケティングリサーチを中心にさまざまな業界のクライアントを支援してきましたが、近年ではマーケティングリサーチのみに留まらず、マーケティングの上流から下流に至る一気通貫した支援ができるよう事業領域を拡大しています。中でもマーケティングDX推進部は、クライアントの深部に入り込み、マーケティング関連業務におけるDX化のサポートをしています。

秘匿性の高い情報を扱うことが多いため、社内でもどのような活動をしているのかなかなか知ることができないマーケティングDX推進部ですが、今回は、トヨタ自動車株式会社様(以下、トヨタ自動車様)のご協力を得て、初めてその取り組みを公開できることになりました。マーケティングDX推進部 部長の松原啓介(まつばら・けいすけ)、販売DXグループ長の内藤太郎(ないとう・たろう)、商品企画DXユニット長の丸雄太(まる・ゆうた)、グループ長の穴井達(あない・さとし)の4名に話を伺いました。

「必要な人が、必要なときに、必要な情報を得ることができる」仕組みづくりとビジネス活用のための環境構築を企画・推進

―マーケティングDX推進部は、トヨタ自動車様とどのような取り組みをされているのでしょうか。

松原:
トヨタ自動車様は、2021年の労使協議会で豊田章男会長(当時は取締役社長)が『3年間で、「デジタル化」を世界トップレベルに』と表明されており、その上では「必要な人が、必要なときに、必要な情報を得ることができる」ことが大切だと語っています。
これを受けて、トヨタ自動車様のDX推進が加速しているのですが、私たちはこの目的を達成するため、共に挑戦し続けてきました。
 
私はトヨタ自動車様に出向し、トヨタ自動車様やパートナー企業と共にワンチームとなって動いていたのですが、「DX推進」が全社において取り組むべき一つの大きな柱となる中、何を果たしていくべきか、これまでの自身の知恵・知見と、マクロミルのアセットを生かし、私たちにできることを全てご提案しました。

マーケティングDX推進部 部長 松原啓介(まつばら・けいすけ)

―「DX推進」という大きな柱を支えるための具体的な取り組みを教えてください。

松原:
商品企画、デザイン、営業企画、販売といったクルマづくりの一連の工程の担当者に対し、「誰に」「何を」「どう売るか」の意思決定に寄与する情報提供と、その情報を利用するための企画と試行に繰り返し挑戦してきました。

例えば、その挑戦の一つとして、商品企画の工程を理解しながら、どのような情報があるとその工程において改善や価値創造ができるかを何度もトヨタ自動車様と意見交換を重ね、企画設計を行い、AIを搭載したアプリケーション構築を試行しました。このアプリケーションは、5年後のモデルチェンジに向けた車両のコンセプトを決めるにあたり、5年後にポテンシャルのある顧客層を推定し、その特徴を知り、どのようなイメージや機能を重視したコンセプトが最適なのかを引き出すことができます。それらをどのような媒体を通してセールスをすると有効なのか、商品企画を考える担当者にとって必要な情報を提供するために発案、開発を行っています。

この取り組みは、(1)企画・運用を見据えたコンサルティング、(2)者・車・社のデータアセット(※)、(3)AI開発、(4)BI化、(5)目的達成のための環境構築によって成り立っています。これらの一つでも欠けると最適な情報を引き出す仕組みはできません。ただ、アプリケーションはあくまでも一つの手段であり、“必要な情報を引き出す仕組みづくり”には現在も挑戦し続けています。

※ トヨタ自動車様では、者(人)のデータ、車のデータ、会社のデータを合わせて「者・車・社(しゃ・しゃ・しゃ)のデータ」と呼称し、これらのデータをつなげて生まれる情報により、新たな価値をつくり出すことを大切にされています。マクロミルは、消費者パネルを活用したアンケートや購買履歴などの「者」のデータ構築を起点に、統合された者・車・社のデータの価値検証といった役割の一部を支援しています。

将来的にはどの工程においても「必要な人が、必要なときに、必要な情報を得ることができる」状態を作っていきたいと考えています。情報はありすぎると、何が大切な情報なのかを見極めることが必要になります。仕組みが整うことで、これまで情報を得て見極めるために費やしていた時間やコストを削減する効果に期待ができます。また、トヨタ自動車様の各工程に携わっているエキスパートの皆さんが、多様な情報から得られる新たな知見によって、付加価値を創造することにもつながり、最大限の価値を発揮できる環境を整えることができると考えています。

私たちマクロミルは、自社で構築したパネルを基盤に多種多様なデータを保有しています。こういったデータ資産も生かしながら、企画から分析、システム構築まで一気通貫で対応できる体制を構築し、トヨタ自動車様に主導いただき、パートナー企業も交え密に連携し力をあわせて進められたからこそ、支援できたと考えています。

前例のない取り組みに挑戦することが、自身の成長へ

―トヨタ自動車様との取り組みの中で、皆さんのそれぞれ役割を教えてください。

松原:
私はトヨタ自動車様に2年間出向し、DX全体を推進するための年度企画、長期企画、プロジェクトの進行の責任者として携わり、PM(プロジェクトマネジメント)や、マクロミルやパートナー企業の品質管理なども担当してきました。

穴井:
私もトヨタ自動車様に出向していたのですが、主にデータ活用によるデザイン部門の新しい業務プロセスの企画・提案活動を担当していました。その一環で、分析システムの開発やデータ活用を促進するためのトヨタ自動車様内でのアプリケーションの利用に関する説明会も開催しました。
帰任後の現在は、DXの基となるデータやAIモデルを品質管理する仕組みづくりや、デザインを含めた商品企画業務全般を支えるデータ活用基盤の構築を支援しています。

商品企画DXグループ長 穴井達(あない・さとし)

丸:
DX推進の一連の取り組みを構成する個別プロジェクトをマクロミル側で管理する役割を担っていました。具体的には、調査によるデータ取得プロジェクトやパートナー企業と連携した分析、システム構築のプロジェクトなどです。それらの品質管理や他部署・パートナー企業との調整を担当しました。

内藤:
トヨタ自動車様とはDX推進のプロジェクト以外でもさまざまな取り組みをさせていただいており、国内・海外向けオンライン調査、海外モーターショー等のオフライン調査のプロジェクトの担当、新規の海外プロジェクト、販売DXグループのマネジメントなど、多岐にわたり携わっています。

商品企画DXユニット長 丸雄太(まる・ゆうた)
販売DXグループ長 内藤太郎(ないとう・たろう)

―それぞれの専門性を生かし、幅広く業務をサポートされているのですね。どのような点でやりがいを感じるでしょうか。

松原:
自動車業界において世界でトップを誇るトヨタ自動車様のDX化に関与できることは、非常にやりがいを感じます。トヨタ自動車様の考えをインプットすることで、自身の成長にもつながっています。また、得られた知見を生かし、異なる業界の企業におけるDX支援への可能性も広がりました。最終的には、世の中のより良いモビリティ社会の実現に向けて貢献していくことを実感できるのではないか、といったところにもやりがいを感じます。

内藤:
一般的にはクライアントの課題をヒアリングし、マクロミルのアセットやソリューションを提案し進めていくケースが多いと思いますが、トヨタ自動車様からは課題設定フェーズの提案から求められるケースがほとんどです。トヨタ自動車様のビジネス工程を把握し、課題設定から実務フェーズまで一気通貫で携わることができ、難易度は高いのですが、同時に大きなやりがいも感じます。

丸:
トヨタ自動車様からは、マクロミルへ依頼したいことではなく「トヨタ自動車様がやりたいことの全体像」を共有いただいているため、そこから私たちにできることを提案していくそのプロセスがいつも新鮮で刺激的だと感じています。毎回一筋縄ではいかず、新しい挑戦を盛り込んだり、想定できるアセットを総動員したりして提案するのですが、型にはまったものではなく、オーダーメイドでプロジェクトを作り上げていく感覚があります。
また、最近では私たちが開発したシステムを実際に使用いただき、フィードバックをいただく機会もあり、トヨタ自動車様の業務に直接貢献し、改善していくプロセスに関われていることがやりがいにつながっています。

穴井:
世の中に先行事例や答えのない仕事に挑戦できていること、その仕事の成果が実際のクルマづくりをしている方に届くこと、この2点にやりがいを感じますね。
既にある枠組みや事例は常にキャッチアップして参考にしていますが、既存の型に当てはまらない挑戦的なプロジェクトが多く、トヨタ自動車様と一緒に考え、答えを作り上げていく過程は大変ながらも刺激的でやりがいを感じています。また、そうして出来上がった成果が、レポートやシステムといった形でクルマづくりの現場の方に届き、自身の仕事がビジネスの現場に役立っていると実感が持てることもやりがいを感じる瞬間です。

クライアントが本当に求めているものを理解し、想定を超える支援につなげていく

―トヨタ自動車様のパートナーとして同じ方向を向き、ビジネスに必要なことを理解しているマクロミルだからこそできることが多くありそうですね。
最後に、今後の展望を教えてください。

松原:
今後もトヨタ自動車様のビジネスに伴走するパートナーとしてDX推進の取り組みを加速させていくべく、目的達成のために未来を見据えた企画を悩むところに重点を置き、それに必要なデータ、分析モデル、システム、ビジネスへの情報活用のための仕掛けをアップデートし、先導していきたいと考えています。

また、トヨタ自動車様との取り組みを通じて得られた知見も生かしていきたいと考えています。クライアントが真に求めている情報を理解し、それをビジネスに直結して使用できるレベルまで対応すること、そして、クライアントの想定範囲を常に超えたアプローチを行い、クライアントと一緒に悩み、パートナーとなって目的を果たすこと。私たちにできることを最大限生かし、あらゆる企業を支援していきたいです。

―ありがとうございました。

マクロミルのサービスサイトでは、トヨタ自動車様へのインタビュー記事も公開しています。こちらも是非ご覧ください。
目的達成のため、企画・分析からシステム化、導入、活用まで一気通貫で対応できる ビジネスパートナー


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