長く健やかに働ける環境を目指し、マクロミルの衛生委員会が取り組むこと
健康経営の推進に重要な「衛生委員会」。当社では2024年4月に委員会を再編し、規模を拡大しました。特集「健康経営 #01」でお話しした健康経営の推進背景に続いて、今回はその中の取り組みの一つ、衛生委員会の刷新についてご紹介します。
「会社と従業員をつなぐ架け橋」となる存在へ
今回は、人事本部の山口、土井にマクロミルの衛生委員会について詳しく聞きました。
―この4月に衛生委員会を再編成した目的は何だったのでしょうか?
山口:衛生委員会を「会社と従業員をつなぐ存在」にすることが目的です。労働安全衛生法において、従業員が50名以上在籍する会社は衛生委員を設置する決まりになっており、これまでは事業所ごとに選出された労使間の協議の際に労働者を代表する従業員代表に担ってもらっていました。委員会活動としては、月に1度、産業医の方から話を伺う時間を設けていました。しかし、積極的に協議を行うような委員会としてはあまり機能しておらず、従業員が長く健やかに働ける環境を作っていくためには、会社と従業員が一体になって、健康経営に取り組んでいかなければならないと考えました。
そこで、2024年4月からは、各部署から1名ずつ衛生委員を選出。従業員が働くうえで困っていることがあれば、その意見を衛生委員に吸い上げてもらい、委員会の場でその内容について議論する形式に変更したんです。また、意見の吸い上げだけでなく、会社が啓蒙したいことを伝えてもらうこともお願いしており、会社と従業員の架け橋にもなってもらっています。
―これまでと大きく変わったのはどのような部分ですか?
山口:委員会の立て付けや規模の変化はもちろんですが、衛生委員個々の主体性が大きく変わったと感じています。毎月の定例会の中で、産業医の方から衛生講話(産業医、または産業保健スタッフが、健康管理や衛生管理を目的に、安全衛生委員会で実施する短時間の研修のこと)をしていただいていますが、その講話に対するコメントや質問も多く上がるようになりました。
土井:少人数で実施していた時に比べて、委員会の雰囲気が良くなったように感じます。各部署からいろんな考え方を持った方が集まっているので、さまざまな視点からのコメントが集まるんですよね。そのおかげで、議論が活発になり、明るい雰囲気が醸成されているのだと思います。
山口:そうですね。皆さんが話をちゃんと聞いて反応してくれて、とても良い雰囲気だと感じています。人事という立場上、従業員の働き方がどうなっているか、どのようなところに困っているか、といったことは耳に入ってくるのですが、その情報はごく一部だと思うんです。また、従業員は課題に思っていることに対して、誰に伝えればいいのか、どうしたら改善に向けて検討してもらえるのか、というのが明確に分かりにくいと思います。そこで衛生委員が意見を吸い上げ、代弁者のような働きをしてもらえることは非常にありがたいですね。
従業員の声を吸い上げ、会社を動かしていく
―衛生委員はどのような思いを持って参加されているのでしょうか?
土井:衛生委員会に参加したきっかけを聞いてみると、「身近にメンタルの傷病者が発生してしまい、自分に何かできることはないかと思った」「従業員満足度調査の結果を見て、自分も従業員の満足度向上に貢献したいと思った」といった声がありました。
山口:そのような思いで参加している方々なので、衛生委員限定のチャットを作成したところ、人によっては早速各部署で吸い上げた意見を共有してもらえるようになりました。また、衛生講話の内容を自部署のメンバーに共有したり、最近流行している傷病について注意喚起をしたりもしているようです。その共有をきっかけに部署の中で健康に関する話題が増え、病気の予防につなげてくれたらうれしいですね。
―現在取り組まれていることや、新たに見えてきたことはありますか?
山口:現在は、健康経営優良法人認定制度(日本健康会議が「特に優良な健康経営を実践している企業」に対して認定する顕彰制度)の認定取得を目指しています。そのために特に力を入れているのが、健康診断の受診率100%を目指す取り組みです。衛生委員を中心に、部署でまだ受診していない方への声掛けに協力してもらった結果、2024年度は初めて受診率100%を達成することができました。
また、健康経営の施策でどのようなものがあったら良いか、アイデア出しにも協力してもらっています。会社に対して意見をする機会はあまりないと思うのですが、実は皆さん健康経営に関する素晴らしいアイデアを持っており、従業員の心身の健康について考えて行動したいという強い思いに感動しました。
そしてもう一つ、衛生委員会では健康関連の資格取得を推奨していて、今期からその補助もスタートしています。具体的には、衛生管理者、メンタルヘルス・マネジメント検定といった資格取得に対して会社が補助金を提供する施策です。正式な募集はこれからですが、衛生委員会の中でどのくらいの方が取得の意向があるか、ヒアリングをしているところです。
認定の取得はあくまでもマイルストーン。何かあればまずは衛生委員に相談を
―最後に、今後取り組む予定の施策や目標を教えてください
土井:健康経営優良法人認定制度の認定取得だけでなく、女性活躍推進や子育てサポートに関する「えるぼし認定」や「くるみん認定」の取得も目指し、従業員をサポートできる体制をさらに拡充していく予定です。もちろん、認定の取得だけではなく、衛生委員会で上がった意見や素晴らしいアイデアもきちんと具体化して実行に移せると良いなと考えています。せっかくいただいた意見を無駄にしたくないので、人事としてきちんと検討を進めていきたいです。
また、健康診断についても、受診率は高くなっていますが、再検査の診断を受けても受診に行かない方が多く見受けられます。取り返しがつかなくなってしまわぬ前に、私たちもきちんと健康診断の受診啓蒙を推進していきます。
山口:そうですね、認定の取得は重要ですが、あくまでもマイルストーンでしかないと考えています。一番大切なことは何度も述べているとおり、従業員が長く健やかに働ける環境を作っていくことです。そのために、健康に対する意欲を高めるイベントの実施や、衛生委員を介しての意見の聴取に力を入れていきたいです。
それともう一つ皆さんにお伝えしたいのが、利用できるものはどんどん利用してほしいということです。長く健やかに働ける環境を整えていくために、衛生委員は意見を吸い上げてくれますし、最近ではEAP(「従業員支援プログラム」のこと。マクロミルでは産業医へのオンライン相談窓口、専門医へのメール相談窓口を設置している)の導入も開始しています。気軽に相談できる専門医や産業医の方々もいらっしゃいますので、何か少しでも困ったことがあれば気軽に相談してくださいね。
― 本日はありがとうございました!
(編集後記)
最後までお読みいただきありがとうございます。企業の存続には、従業員一人ひとりの健康と安全が何よりも大切です。マクロミルの従業員の皆さん、少しでも体調に異変を感じたら、衛生委員会をはじめ周囲の方に躊躇なく相談してくださいね。健康経営のさらなる推進のために、今後もさまざまな取り組みが予定されています。ぜひ今後の動きにもご注目ください!
■インタビュー・編集
岩原希未(株式会社マクロミル 広報・ブランドマネジメント部)
■画像制作
田代正和(株式会社マクロミル 広報・ブランドマネジメント部)