地テシ:280 富山の散歩2022!
劇団☆新感線「薔薇とサムライ2」富山公演を無事に終え、次の新潟公演に向けて準備中の粟根です。ていうか、もう新潟です。いわばin新潟です。at新潟です。
新潟公演もなんとか無事に終えて、大阪・東京へと続けていきたいところです。先は長いですが、一歩ずつ、一漕ぎずつ。
さて、前に富山に来たのは「Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~」の時ですから、約6年前です。あの時は既に上田・東京公演を終えておりましたので、芝居も安定して心にも余裕があったはずです。
はずなんですが、富山を観光した記憶が全くありません。おそらく逆に、段取りが固まっているので舞台稽古の日数が少なく、タイトなスケジュールだったのでしょう。
唯一覚えているのは劇場のちょっと北にある富岸運河環水公園に行って「世界一美しいスターバックス」とも噂されるスターバックス富山環水公園店を見たくらいでしょうか。
今回は約10日間の富山滞在でしたけれども、さすがにツアー最初の地。舞台稽古でバタバタしておりまして、それはもうバッタバッタしておりまして、またしても富山を満喫したとは言えない状態です。そりゃそうだ。公演に来ているんだからさ。
それでもね、劇場への行き帰りにちょっとフラフラしたりして、富山散歩はそれなりに楽しみました。私にとっての観光は名所や食事ではなく、いや、名所や食事も楽しむけれども、散歩さえできればあらかた楽しめるのです。
そんなワケでね、富山で見つけたいくつかを、ちゃんと解説しちゃうと長くなるから、もうなんだかただただ羅列していきたいと思います。
私の好きなテレビ番組に「ブラタモリ」があります。いや、毎回見ているワケでは無くて気になるテーマの時だけ見るというワガママウォッチャーなのですが、以前にこの番組で富山も取り上げられていたのです。
毎回、タモリさんが地元の研究者の協力を仰ぎながら、その土地の注目すべき点を探していくという、まさに私好みの番組なのですが、富山の回でも気になる点がいくつかありました。
その中で一番気になったのが「舟橋」です。舟橋というのは川に何艘もの船を浮かべて、それを繋いで橋とするモノでして、主に臨時に掛けられる橋でした。
しかし江戸時代、富山の神通川には常設の舟橋が掛けられており、その当時の両橋詰めに設営されていた常夜灯が今でも残っているというのです。
現在では河川改修されて直線となっている神通川下流ですが、以前には蛇行して度々流路を変えており、江戸時代には現在の松川あたりをかなり幅広い川として流れていたようです。そして、富山城の堀として利用されていたのです。
ですのでおそらく、城の防衛上の理由で舟橋とされていたのでしょう。
その舟橋の南岸の常夜灯がこちら。
そして、対となる北岸の常夜灯がこちら。
その間、約200m。諸説あるようですが、これが江戸後期当時の川幅とも考えられるというコトです。明治時代に直線化が行われ、旧流路はほとんどが埋め立てられて、現在の松川となったというワケです。
古地図で見ても、現在の富山県庁は川底ですし、富山駅は新旧流路に囲まれた中洲の中です。(下の画像は時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」より)
ブラタモリ富山篇で気になったもう一つが越中反魂丹で有名な「池田屋安兵衛商店」の店舗。
富山といえば薬。こちらは江戸時代創業の薬問屋の倉庫を改造した建物でして、店舗では各種和漢薬の販売だけでなく、丸薬製造のデモンストレーションや体験、各種資料なども展示されており、ちょっとした資料館になっていて撮影も自由でした。
この二点がブラタモリで知って行ってみたかったポイント。そして博物館が好きで、初めて行った土地に郷土資料館的なモノがあればつい行ってしまう私が狙っていたのが「富山市郷土博物館」です。時間が無い中でしたがチラッと寄ってみました。
え? これは富山城ですよね。ええ、そうなんです。富山城の中が郷土博物館なのです。
富山城は見ての通りの模擬天守。昭和中期に建てられた鉄筋コンクリート製です。平成期に大改修されているので綺麗だし、小さいながらも展示内容も充実したモノでした。
下は江戸初期の富山城下。北陸道(北陸街道)がどのように通っているかが知りたかったのですが、この図で赤い線で記されているのが北陸道です。
画面右側(東側)からお城の南側を通って、左下で急に北に向かって曲がり、舟橋を渡っていきます。舟橋も描かれていますね。
そしてこちらが天守閣からの眺め。ビルなどがなければ北に富山湾、それ以外を立山連峰などの山岳に囲まれた雄大な景色が見られたのでしょうが、今では無理な話です。しかも曇っていたし。
前回、富山市電のことを書きましたよね。JR富山駅を貫通するように路面電車が走っているため、駅舎内を歩いているとたまに足止めされるって話。その現場を押さえましたのでご覧下さい。
手前が駅ビルの商業施設、そして向こう側がJR富山駅のコンコースです。市電が通過する時には赤信号となって通行止めになります。予想はしていても、結構インパクトのある光景でした。
そして、その市電の内部がこちら。
富山の市電には新旧さまざまな車両が運行していましたが、こちらはかなりレトロなタイプの車両。降りる人はバスのように降車ボタンを押して知らせます。
それと、今回も地面に注意を向けてみました。富山市水道局のマンホールアートは、自然豊かな富山を表していて、海と山と雪。
消火栓用水道にも同様のモチーフが使われていました。
そして、雪国ならではの施設もありましたよ。
シンプルに「雪」と書かれたマンホールと、そこから延びる消雪装置。地下水を利用して路面に雪が積もるのを防ぐようです。
さあ、どんどん長くなってきてしまいました。ここからは簡単な説明だけで色んな写真をお届けしましょう。
富山城下町で今でも繁華街となっているのが「総曲輪」と書いて「そうがわ」と読むエリア。今風のお洒落なお店もたくさんありましたが、古い建物もいくつも残っていました。
そんなこんなの富山散歩。見返してみればそこそこ歩けてましたね。さて、新潟ではどうなりますやら。
ていうか、いったい何年振りの新潟なのでしょうか。劇団☆新感線「七芒星」が2003年なので、それ以来か? いや、AGAPE store「BIGGEST BIZ」が2006年か。じゃあ16年振りか。
いずれにせよ、とにかく久しぶりの新潟です。しかも、今までは「りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)」での公演でしたが、今回はそのお隣の新潟県民会館での上演です。
新潟駅からは結構離れていますので、お越しの方はどうぞお気を付け下さい。バスの時間とかちゃんと調べてね。あと、歩くつもりならばJR白山駅からの方がちょっと近いようですよ。
さあ、いよいよ新潟公演です。16年振りの新潟はどうなりますやら。どうぞお楽しみ下さいませ!