地テシ:368 目黒雅叙園の「百段階段」に行ってきたよ
前回に告知するのを忘れちゃってたけど、去る5/13は劇団☆新感線「バサラオ」の製作発表でした。そうなのよ! 製作が発表されちゃったのよ! しかもYouTubeの新感線チャンネルでLIVE配信もされちゃってたのよ!
今さらリンクを貼っちゃってますけど、当然ながらLIVE配信だったので今はもう見られません。後日、編集してまとめた物がアップロードされるかもしれません。されないかもしれません。
ちなみに、エントレさんがまとめたレポートはこちらですので、気になる方はチェックしてみて下さいませ。
さて、その「バサラオ」製作発表が行われたのは、「天號星」の時と同じく目黒雅叙園でした。前回は雅叙園の本館を中心に散策しましたが、今回は旧館にも行ってみたいと思いました。旧館、つまり現存する唯一の旧館である旧3号館に行ってみたいと思っちゃったんですよ! メイン出演者の方々は数多くの取材をこなさなくてはなりませんが、私はいくつか取材を受けただけで終わりましたので時間に余裕があります。しかも今日は結婚式とかも多くなさそうで人が少なかったし、雨だし。こりゃ行っとかなくちゃって思うじゃない!
旧3号館というのは昭和10年(1935年)に建てられた木造の建物でして、世間的には「百段階段」で有名な建物です。桃の節句の頃には大量の雛人形が飾られることで有名な、あの階段ですよ。いや、階段のある建物ですよ、なんです。
雅叙園の旧館たちは昭和初期に建てられましたが、建物の老朽化と目黒川の河川改修工事とが重なって平成初期に全面的に建て直されました。で、この旧3号館だけが保存されたというワケ。
ちょうど今は「昭和モダン×百段階段 〜東京モダンガールライフ〜」という企画展が行われており、竹久夢二や小林かいちなどの絵画なども展示されているとのこと。それも気になるから丁度いいじゃない。じゃあ行ってみましょうよ。
雅叙園正面玄関から入ってすぐ横の受付からエレベーターで上がってクネクネ行くと百段階段が現れます。目黒川が削った断崖に寄り添うようにいくつかの建物が繋がって建てられているような構造をしておりまして、階段も真っ直ぐではなく少し曲がっていますが、ずーっと上まで階段が連なっています。
今日は観光に来ているから良いものの、生活の中でこの階段を登ることになったら軽く絶望するレベルの光景です。でも大丈夫。今日はこの階段を登るために来たのですから。
それぞれの部屋では当時の一流の画家たちや職人たちが贅を凝らした装飾をしています。かつては宴会をするために作られた部屋部屋が、今は様々な展示をする部屋として新たな生を授けられています。もうね、ホントに豪華、ホントに贅沢。
壁の絵、天井画、柱、欄間、障子。全てが美しくそれぞれのテーマに沿って彩られています。その中から、いくつかだけですがご紹介していきましょう。
でね、一番上の部屋が「頂上の間」。この部屋だけガラス窓をそのまま出して外の景色を見ることができます。これがね、初夏の新緑が映えて綺麗だったのよ。でも、大人気の部屋だからずっと人がいたり座っていたりしたのね。そりゃそうだろうよ。長い階段を登ってきて最後に景色の良い部屋があったら座っちゃうだろうし寛いじゃうだろうよ。
だもんで、いったん出て一番下の階のミュージアムショップに入ったりしていたんだけど、人の流れを見ていたら今なら少ないかもしれないと思って、また一番上まで一気に登ったのよ。そしたらやっぱりしんどかったよ。太ももの筋肉が悲鳴を上げたよ。
でもね、その甲斐もありまして、誰もいない頂上の間を見るコトができました。こんなカンジのお部屋でございます。
どう! 素敵でしょ! 本当は京都画壇の大家である西村五雲に揮毫して貰うはずだったのに亡くなってしまったので装飾の少ないシンプルな部屋になりました。それがかえって端正な美しさを醸し出しています。
雨だったので陽光降り注ぐとはなりませんでしたが、しっとりとした緑が落ち着いた風情を漂わせていました。
そんなこんなの百段階段。帰りには館内のエスカレーターで登った(しかもエスカレーターはもう一段あるんですよ)のですが、この高さの階段を二度も登ったのかと思うとゾッとしますね。
企画展「昭和モダン×百段階段 〜東京モダンガールライフ〜」は6/16(日)まで無休で開催されていますので、百段階段や古建築、大正〜昭和のモダンガールライフに興味がある方はぜひ訪れてみて下さいませ。