店頭でも買える楽譜を、あえて編曲者本人から買ってみたら⋯
私には、「相棒」ともいえる音楽仲間がいる。
その友人はフルート、私はピアノ伴奏。
同じ音楽教室に通っていた時は、当たり前のように彼女の伴奏をしていた。
教室が変わったことで機会は減ってしまったが、自主的に開催している演奏会では、必ずと言っていいほど一緒に演奏している。
そして毎年誕生日には、楽譜をプレゼントしてきた。
その時一緒にやりたいと思った曲(意外と伴奏を弾きたくてよくリクエストしている笑)
無伴奏曲集(伴奏がなくても、一人で演奏できるようにという思いを込めて)
2フルートのアンサンブル曲集(移動した店舗の先生とアンサンブルができるように)
編成はもちろん、ジャンルもクラシック、ポップス、時にはジャズ…さまざまな種類の楽譜をプレゼントしてきた。
もはや毎年どの楽譜を贈ろうかと考えることが、ひとつの楽しみになりつつある。
突然の報告
それは3月に開催した演奏会でのことだった。
久々に再会した友人から、こんな報告が。
「アルトフルート買いました~!」
正直、意外だった。
フルートとピアノ、サックスとピアノ…。
複数の楽器に挑戦している仲間を見ては「フルートも極められていないのに、他の楽器も習うなんて私にはムリだな~。みんなすごいよ!」と本人は発言していたから。
もっとも、アルトフルートならば全く違うことではないのだろうか…?
ソプラノリコーダーとアルトリコーダーをイメージすると分かりやすいのかもしれない。
同時に、私はこう思った。
「今年のプレゼントはアルトフルートの曲集一択だな」
善は急げ?
演奏会終わって早々、すぐさま「アルトフルート 楽譜」で検索。
うーん、、、ピース(1曲ごと)なら結構あるが、曲集となるとなかなか難しいのかも…。
と、半ば諦めかけていた時、とある曲集が目に留まる。
「アルトフルートで奏でる名曲選/多久潤一朗」
これだ…!まさに私が探していた曲集!!
曲集の特長は以下の通り。
アルトフルート用に移調されている
ピアノ伴奏あり(何なら一緒に演奏したいし、きっと本人もそう思ってくれるはず笑)
好きな人には刺さりまくる、選曲のセンスが抜群
しかも、私が好きなフルーティストの一人である多久潤一朗さんが編曲しているとなれば、これ以外に考えられない。
心の中ではほぼ決なのだが、いかんせん誕生月の11月まで大分時間がある。
はやる気持ちをおさえ、ひとまず楽譜情報をLINE Keepに保存し、そっと画面を閉じた。
アルトフルートの曲集は2冊。
実はもう1冊も気になっていたのだが、すでに他の音楽仲間がプレゼントしていたため、強制的にもう1冊になってしまったのはここだけの話。
むしろプレゼントする前に分かってよかったのか。危うくカブるところだった(汗)
余談だが、多久さんを知るきっかけになった曲を貼っておこう。
アイリス・ウェイブスⅡ/マグナムトリオ
いざ、楽譜購入!
月日は流れ、10月某日。
忘れていたわけではないが、さすがにそろそろ楽譜を注文しないと誕生日に間に合わない。
はるか昔にLINE Keepに保存していたページを開く。
楽譜を買う方法は2つ。
ムラマツフルートの店頭・通販(会員だと10%オフで買える)
編曲者本人のWebサイト(急いでいない人向け)
ムラマツはフルート専門店。
会員登録はしていない。
よほどの用事がない限り、ピアノの私が行くのはほんの少しだけ場違いな感じがした。
しかも、行くとしたら新宿。
行けなくはないが、少し時間がかかる。
店舗まで行って、在庫なしとなればせっかく行った意味がなくなってしまう。
そもそも「急いでいない」のだ。
いくらなんでも1カ月以上かかることはないだろう。
せっかくの機会なので、本人から直接購入することにした。
必要事項を入力後、備考欄に「友人の誕生日プレゼント用に購入することを決めました」と書いて申し込みボタンをポチる。
あとは連絡を待つだけ。
ファーストコンタクト
数日後、確認メールが届く。
(翌日ではないあたりからして、すでにユルい笑)
注文に対するお礼、振込案内⋯おそらく形式通りの文面が続いた、最後の一文に前のめりになる。
「もしご入用でしたら、楽譜にサインやお誕生日メッセージを書いてお送りすることもできますので、お申しつけ下さい……、必要ないかもしれませんが…(笑)」
めっちゃ欲しい!!!!!!
ちゃんとメッセージを読んでくれていることにテンションが爆上がり。
でもこの一文、どこまで本気なのか分からない。。。
「いらないかもしれませんが」もとい、(笑)が惑わせるのである。
テキストでやりとりすることの悪いところが出てしまっている(ボソッ)
「めちゃめちゃ欲しいです!!ぜひともお願いします」
心の中で1万回唱えるだけで、返信できず。
指定口座に代金を振り込んだ。
※ところで、同じ銀行間で取引する場合、アプリからの振込は手数料がかからないんですね。なんて便利なのでしょう⋯!(遅)
発送連絡に再び前のめり
振込が完了してから数日。
楽譜が発送されているのか分からず、少しだけソワソワしていたころ。
多久さんから再び連絡が。
「楽譜なのですが、サインなどは無しでそのまま送って大丈夫でしょうか?」
ちょっ、本気だったんかーい!!
しかも件名が私の名前。
わざわざ私めのためにメールをしてくださっている。しかも時間が23時とか。
「お手間でなければ、サインだけでもお願いしたいです⋯!」
遅い時間に恐縮しつつも、秒で返信(いや、秒は盛りすぎか?笑)。
返信してひと息ついた頃、再びのメール受信。
「メッセージなどは大丈夫ですか?」
サインだけでもありがたいのに、メッセージまで書いてくださるとは。神ですか⋯!
もしや、何を書こうかとすでにメッセージを考えてくださっていたのでは?
ここまで来たら遠慮なくお願いするしかない(違)
「今年アルトフルートを買ったばかりの友人に向けて、アドバイスなどがありましたらお願いしたいです」
(要望がふんわりしすぎて、我ながら残念⋯)
多久さんの心遣いに感謝しながら、さらに渡すのが楽しみになった。
実際に届いた楽譜は⋯
発送連絡から2日後。
無事に楽譜が手元に。
レターパックがいい仕事をしてくれる。
早速、中を確認したいところだが⋯
実は楽譜が入っていることを確認しただけで、まだ開けていない。
多久さんからのメッセージは、最初に友人に見てほしいと思ったからだ。
私が先に見てしまうのは少し違う気がする。
ただ、OPP袋からうっすら見えるその文字は、思っていた以上にがっつり書いてくださっているようだ(ありがたや)。
自己満足になってしまうかもしれないが、注文時に直接メッセージを送れたのはうれしかったし、多久さんもそれに応えてくださった。
今までで一番いいプレゼントを用意できたように思う。
喜んでくれたらいいなぁ。
最後に、多久さんのワードセンスが光りまくっているツイートを紹介。
ハッシュタグ⋯誰が上手いこと言えと。
これを見たら、メール文面にあった(笑)は本気だったんだろうな⋯と思う。
(私もこのお笑いセンスが欲しい⋯)