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テレワークのやり方と課題

 緊急事態宣言真っ只中。5/6までは全国的に住民に不要不急の外出自粛を要請、テレワークなどを進めている会社も多いのではないかと思う。弊社もテレワーク体制に移行して、5/6までは各自リモートで業務を進めている。そこで本日は、不動産テックコンサルタントのまっきーこと巻口が、テレワークの実際というテーマで「テレワークやってみたけど、どんな感じなのか」という報告と、テレワークのためのツールであるSlackやZoom、Discordなどの使い勝手や使用方法などを解説して行く。
 加えて、テレワークをうまく運用するための課題などにも触れて行こうと思う。


Zoomを使ってみた


 では、クラウドで情報共有できるグループウェアサービスから説明しよう。まずはZoomだ。今回のパンデミック騒動で一躍有名になったWebミーティングツールである。2019年12月時点の利用ユーザーは毎日1000万人だったものが、この騒動で利用が高まって、3月時点では2億人を超える利用者数となったということで、大変躍進しているツールだ。
 Skypeと何が違うんだ思われるかもしれないが、SkypeやFacebook Liveは基本的には1対1のオンライン通話というコンセプトなのに対して、Zoomはウェブ会議というコンセプトだ。だから利用者全員がアカウントを作る必要がなく、会議を開催するホストさえアカウントを発行すれば全員Zoomを使えるっていうのが売りである。さらに無料版のアカウントでも結構なところまで利用できるのが利用者が増えた理由だろう。無料版でも100人まで同時Web会議が可能で、会議時間も40分までは利用できるようになっている。ちょっとした会議なら無料版で十分活用できる。
 大人数での会議を想定して設計されているので、データ通信量を抑えながら高品質の通話が可能になっており、Skypeと比較しても、ほとんどストレスなくオンラインで会議ができる。


Zoomのセキュリティ

Zoomはテレワーク中のミーティングなんかにすごく便利だが、セキュリティの問題で現在注意喚起がされている。ZoomBombing(Zoom爆弾)というWeb会議のハッキングが話題になっているのだ。Zoomのスクリーンシェア機能を使っている最中に暴力画像やポルノなど不適切なコンテンツが現れてミーティングを邪魔する、というような第三者による所謂荒らし行為である。
 他にはmac版のZoomアプリの脆弱性の一つとして勝手にパソコンのカメラをハッキングできるような抜け道などが放置されているなどと指摘されている。それ故に、台湾行政院は政府機関でのZoom利用の注意喚起を出しているし、FBIや日本の内閣サイバーセキュリティセンターも注意喚起している。
 使いやすさを重視した反面、セキュリティの強化が追っついていないようだ。ベンチャーにはありがちであるが、少し勿体無い。手軽に利便性よく使えるツールであるのは間違いないので、よほど機密性の高い会議でなければ便利に使用可能であるが、ハッキングなどはマルウェアの対策をきちんとした方が良いようだ。

URL https://zoom.us/

Slackを使ってみた

  次はSlackだ。これはチームコミュニケーションツールで日常的な報告連絡相談、ほうれんそうを実施するには大変便利なツールである。システム系の方は結構使っているんじゃないだろうか。
Slackはソフトバンクのビジョンファンドから出資も受けており、上場企業だ。
Slackという名称は
"Searchable Log of All Conversation and Knowledge"
の頭文字から来ている。これは私も知らなかった。

スクリーンショット (86)


URL:https://slack.com/intl/ja-jp/enterprise


 一つの画面で多くのチャンネルを管理・閲覧できるようになっている。Googleドキュメント、Dropbox、GitHub、などの各種サードパーティーのサービスと連携することが出来るようになっており、Slack内部のすべてのコンテンツは、一つの検索ボックスから検索できるようになっている。
 メールと違って、チャットのようにリアルタイムにやり取りができるので、基本Slackを立ち上げたまま、仕事の指示や報告、決定事項の通知なんかを全部Slack上で完結させている。オープンチャンネルとプライベートチャンネルをそれぞれ作ることもでき、セキュリティもしっかりしている。ダイレクトメッセージを個別に送ることもできる超絶便利なコミュニケーションツールである。基本ZoomとSlackとGメールさえあれば、テレワークで困ることはまずない。

 ただ、テレワークの場合、往々にしてソロワークになりがちである。なんどいうかコミュニケーションが文字ベースだけになってしまう結果、孤独感を感じて、鬱っぽくなってしまうなんて、記事もよく目にする。実際やって見て分かったのだが、本当に家で一人で仕事していると、のけ者にされた感というか、どこにも地に足がついていない感というか、そうした感覚に陥りがちになる。

テレワークの課題


逆に経営者としての立場からすると、会社としての一体感や、一つの方向性に向かって仕事をしていくためのチームビルディングが、テレワークだとなんだか難しいと感じている。
会社での何気ない雑談だったり、ランチでのコミュニケーションだったり、タバコ部屋での部署を超えた話題だったりというような日常が、会社の雰囲気を作っている側面も間違いなくある。そうした雰囲気を作り出すのがテレワークだとかなり難しい。
 心理学的に言えば「ラポール形成」ができないっていうことが問題なのだ。ラポール(rapport)っていうのは、もともとは臨床心理学の言葉で、ラポールは、フランス語で「橋を架ける」という意味である。最近では転じて心と心が通い合ったつながりを意味する、相手との信頼関係を表す用語として使われている。顧客との関係、取引先の担当との関係、職場の上司や部下との関係でラポールが築けているかという概念、それが「ラポール形成」と言われるものだ。
テレワークだとこれが極端に難しくなる。
メールやSlackのようなテキストベースのやりとりでは、ラポール形成はできにくいのはいうまでもないし、例えばZoomでのWeb会議でも、やはりオンラインだと、Agendaを消化することに集中してしまい(確かに効率はいいのだが)やはり信頼関係を築くという感じにはならない。


Discordを使ってみた


 さて、ではどうするかとなったところで、弊社でラポール形成のために今試験的に採用しているツールがDiscordだ。
これが画面なのだが、元々はゲーマー用のボイスチャットツールで、ゲーマーがゲームをやりながらチャットで交流する目的で設計されている。
 ゲームがメインであるので、システム自体がものすごく軽く設計されているというのもあるのだが、とにかく大人数でボイスチャットができるというのが大変便利で、これをオフィス用のコミュニケーションツールとして現在試験運用している。

スクリーンショット (88)

URL https://discordapp.com/
 Discord使っているユーザーも多くなったようで。「Discord出社します」なんていう記事も見かける。オフィスにいたら、ちょっと声をかけるっていうシチュエーションがあるが、「ランチ何食べたの?」とか「あの書類ってもう送ってくれたっけ?」みたいな、わざわざ文字に起こすほどのものじゃないんだけど、ちょっと声をかけて確認したいっていう状況がある。
Slackだと即時に発信できるが、即時に回答が返ってくるとは限らない。これがボイスチャットだとそのまま「ランチ何食べた?」「えっ普通にカップ麺」というようななやり取りがスムーズにできるようになるわけである。
 だから「繋ぎっぱなしで軽く雑談しながら仕事を進める」というようなゆるいオフィスの雰囲気そのままの環境が構築できる。これがDiscordの良い所だ。

オンライン飲みについて


 加えて、ノミュニケーションはやはり大事だと私は思うのだが、今はこういうご時世で飲み会なんて出来るわけがない。そこでZoomなどを使ってオンライン飲み会などをやるわけだ。Zoomで皆の顔を見ながら飲むのももちろん良いのだが、飲み会は実際は自分の周りに座っている2,3人と話が盛り上がる感じではないだろうか?そんな雰囲気をオンラインで実現できるようなツールもある。


Remoとは


 それがRemoというオンラインカンファレンス開催ツールである。これはUIがテーブルに座る感じになっている。一つのテーブルに座れる人数が決まっているので、興味があるテーブルを選択して、ちょっと話したかった人とだけ話す、ということが可能な機能が用意されている。
 Zoom飲みやって見た、なんていうのがよくネットでも出ているが、Zoomだと全員いっぺんに話をしなくてはいけないので、こうした少人数で話をする、それこそラポール形成には少々向いていない。どっちかというと「憂さ晴らし」のような感じになってしまう。
 なので弊社でも今度Remoを使ってオンライン飲み会など開いてみたいと思っているところである。

URL https://remo.co/conference/


まとめ




 さて、本日は「テレワークやってみた」ということで、実際のところどんなツールがあって、どんな問題が出てきたかという内容だったが、今回のパンデミックをきっかけに、働き方というのはもう変わらざるを得ない状況になったと思う。パンデミックが沈静化したとしても、もうこのテレワークの流れは一部では確実に定着することになるだろう。一度テレワークというメリットを享受した人たちが誕生するとそのメリットを手放したくないという力学が働くからだ。
 
 携帯電話を一度使ったらポケベルに戻れなくなるみたいなものだと思う。例えが古い。一方で、テレワークに向いてない仕事や人というのも間違いなく存在していて、テレワークを内包した新しい働き方にどうやって適応していくかという課題に直面しているのがまさに今だと思う。
 テレワーク導入企業の事例などを見ていても、テレワーク鬱だとか、テレワークによって誰とも話さなくなって、鬱っぽくなってしまったというような話は多く散見される。
なので、本日ご紹介したDiscordやRemoなどの活用を検討してもらえればという話になるわけである。是非この波を乗り越えて欲しい。

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