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8月。発達理論をテーマに130人に会って分かった「今の社会が生み出す2つのタイプ」
8月は、
1.7月に出版された成人発達理論の実践書
2.出版記念や、発達実践のプログラム開始に伴う各種イベント登壇
3.新たなチャレンジとして始めた発達段階測定
があったので、
「人間性や在り方といった心の成長=発達理論」
をテーマにしながら、
100人以上の方々と深いお話をご一緒する機会に恵まれました。
そんなご縁の中で、
健全に人生を歩んでいる人もいたのですが、
少し、苦しそうだなと感じている人達と少なからずお会いして、
その人達が、共通した傾向を持っているのと、それが今の社会の構造上生まれてしまうものだという気づきがありましたので、シェアをします。
飛び級させられてしまった”ドーナツタイプ”とぐらぐら不安定の”竹馬タイプ”
(各発達段階の定義についてはこちらを)
ドーナツタイプは、
「自分の気持ち、どうしたいか、何をやりたいか」分からないと言います。
それは当たり前です。
人生の大半を他者に意識を集中して、自分に向ける事が難しかったから。
親がよかれとおもって、
「ちゃんと勉強しなさい」「いい子でいなさい」
みたいに関わって、親の期待に応えたいと思って育った結果、
そうなってしまったと思います。
竹馬タイプは、
過去にトラウマレベルの悲痛な経験をしたときに、
なんとか、生きようと一人で頑張って、
「自分を正当化させる理由や理屈」を手に入れようとしたのだと思います。
それぞれで、つらいだろうなと思う事
ドーナツタイプの苦しみは、
ベクトルがない事。
常に、他人を気にしてきたので、
内発的な動機や欲求が、「ない」ように感じてしまうのです。
仮に、わずかな感覚があったとしても、
人生の大半で作られた、社会的でちゃんとした自分が
「だめ」とブレーキをかける傾向にあると思います。
僕は、内発的な動機や欲求が「ない訳ではない」と考えます。
必ず少しは体験してるはず。
完全に空洞ではなく、わずかに実があるはずなのです。
その小さい小さい、欲求や我が儘の芽を、安心感のある土壌で育んでいく事をお勧めしています。
具体的には、快楽・快感リストを作って実行する事
発達段階2で培われるのは、社会情動知性の中で、
非常に原始的なものです。
原始的な感情というのは、快/不快という感覚です。
赤ちゃんも快/不快から始まって、徐々に喜怒哀楽と情動が複雑化していくのです。
なので、自分にとって快感な事。
これは、ある意味、ちょっと変わった変態性を持っていたりします。
僕の場合は、
・お風呂は電気をつけずに入る
・朝は100回ジャンプ→お湯飲む→太陽礼拝(ヨガ)
です。
サウナでも、森林浴でも、恋愛でも何でもいいので、
自分の身体が快感と思う事を自覚し、それを味わってみてください。
徐々に「こうしたい」というベクトルを感じられるようになるはずです。
竹馬タイプにお勧めな実践は、軸の根の確認、信頼できる人づくり。
竹馬の苦しいところは、
自分の中に、色んな声がありすぎて、不安定になる事です。
駒を想像してもらうと分かりやすいですが、
軸に対して、面が広すぎると安定しませんよね。
そんな状態です。
なので、本当に信頼できる人を作りつつ、
その人と、自分の中心軸はどこなのか、今の幸せ観は何なのかを
確認するのが良いと思われます。
社会に心の支援環境をもっと充実させたい
このようなタイプの状態になってしまう背景には、
社会的に、心の発達支援環境が脆弱な事が挙げられると思いました。
ドーナツタイプになるのも
親も、良かれと思って関わっているし、
竹馬タイプも
本人が、生きようと頑張った結果です。
足りてないのは、
そんな現場に寄り添える、心の発達の専門家だと思いました。
教育の領域でも、家庭の領域でも、企業の領域でも、
「その人達にとって影響の大きいライフイベントが起こった時」に
それを悲劇ではなく、味わって成長の機会に変えられるような
心の発達支援環境を整えていきたいと
改めて思った今日でした。