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■「協会賞」の権威も落ちたか…

マスコミってナニ?(67)ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改

◇今年は横取りの朝日新聞が受賞

9月5日の朝日新聞朝刊を見て、「あれれ」と思った。
その1面カタに「本社に新聞協会賞 自民党派閥の裏金問題報道」という文字が見えた。

ちょっと待ってくれ。岸田政権も吹き飛んだ自民党の裏金問題を最初に報じたのは、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」である。一昨年のことだ。

赤旗がどれだけ政府・自民党を攻撃したところで、それは共産党だから…の一言で済んでしまう。どんなにいいことを報じたとしても、それは一政党機関紙、共産党の視点からの宣伝臭いもの、と思われても仕方ない。
長く、裏金問題は報じられているけれど、僕個人は政治家に徳目を求めるのは八百屋で魚をくれ、というようなものだ、とかつて大物政治家がうそぶいたことに同意する。政治家なんてそんなもんでしょう。

とはいえ、今は時代も変わって、世間はそれを許容しない。
そんな時代でもあり、結果的に国民はこの問題を許さなかった―。
その意味で、赤旗が端緒を作ったとはいえ、調査報道に強い、と自負する朝日がこの報道では他紙やマスコミ全般の中でリードしたのは認めざるを得ない。
しかし、なんとも納得できないのである。
スクープしたのは、赤旗だったじゃないか!

そうしたもやもや感を代弁してくれる記事が、5日夜になって写真誌FLASHのウェブ版(スマートフラッシュ)が報じた。
「「恥ずかしい連中だな」朝日新聞 自民党裏金問題で新聞協会賞も発端は「しんぶん赤旗」“手柄の横取り”にツッコミ続々」

新聞協会賞―といっても、新聞業界、マスコミ界に関心のない人には、なんのこっちゃ…という存在だろうか。
朝日ほか大手新聞、地方紙やNHK、共同通信、民放などが加盟する日本新聞協会が年に一度発表する、我が国の報道関連では最も権威ある賞だ。
ニュース部門以外にも、いろいろ各賞はあるが、なんといっても花形とされるのは特ダネや調査報道で他紙が後追いする胸がすくようなスクープ記事にこそ与えられる栄誉。これにかかわれるのが記者としての夢でもある。
僕はまったく縁のないまま記者生活を終えたが。

まあ、そんなことは一般の人にはどうでもいいだろう。
フラッシュの記事は、ヤフートピックスにも転載されているが、その記事につくコメントが配信から3時間ほどでやっと50本―というのが新聞とマスコミへの関心度の低さを証明している。

僕自身、新聞社を離れて1年以上がたち、ニュースを見る、読む感度が著しく低くなった、と思っており、何もエラソーなことは言えない。

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