■久々に救急車に乗った
「シニアの健康と体力」(7)
都内で一人暮らしをする義理の伯母と連絡が取れない、と担当の訪問看護師から姪である妻に連絡があった。
末期のがんで、ターミナルケアを受けるため、近く入院の予定だったのだが、それ以前に逝っちゃったか、と慌てて2人で伯母の住む家に行った。
近所に住む、別の義理叔母さんにも連絡していたので、先に彼女が来ていた。
夜中にベッドから落ち、骨折したまま動けないようだ、という。
寝室とは別においた携帯電話を取りに行けず、電話に出られなかった由。
まったく動けず、どうにもならないので119番。救急隊に都心のかかりつけ病院に運んでもらい、長い時間検査され、入院した。
その病院は、伯母が何度か入院しており、何度か行ったこともある。窓から写真のような景色が見える病院である。
東京の都心にはいくつか「森」といっていいような公園があるが、これもその最大のひとつ。
言わずともわかるでしょう。
病室に空きがない、ということで入った一晩1万9800円の個室。
先月、僕が2泊した下町の、窓の外にはビルの壁しか見えないような病院とはエラい違い。女性看護師はみんなカワイイ子が多いし、外来のスタッフもきびきびし、患者への対応もデパートの接客みたいに丁寧。僕がいつも通う下町病院とはまったく違う…。さすが都心の真新しい病院(建物は新しいが昔からある)だけはある。
上等国民と下層国民の違い…みたいなものを感じた。
病院で、待っている間に
「ケアマネジャーはらはら日記」という本を読んだ。
実に面白かった。
介護を受ける、「下層」の人々、そして支える人の実相が描かれ、かつ介護についての知識もつく内容。
この本に書かれているような「現実」は、この病室の窓からの眺めからは遠い世界だ、と感じざるを得なかった。
にしても、伯母は91歳。僕も20年、30年と生きていけば、こういう状態になるのは必定。
ピンピンコロリは、ほぼあり得ない。
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