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「しょっぱい思い」

話は聞きます 伺います
そう 誰もがそう言うだろう
そう 誰もがそうおっしゃいます
それならば

ぼくは ぼくの困りごとやら 悩みやら
願いごとやらについて
口を開いてペラペラと
話しだす

相手は確かに聞いている 確かに
聞いてはくれている

そりゃそうだ
彼も 彼女も
ヒマつぶしじゃなく
時間と引き換えに
彼らが持つ 知恵と体験に照らし
カネと引き換えに
話は聞きはする

だが しかし
彼の 彼女の
顔つきはどうだ――
本当に ほんとうに
ぼくの気持ち わかってくれてるか
わかろうとしているか

どうみても…
どうみても の
塩対応だろ
しょっぱい しょっぱい

あんたの顔つき
しょっぱい しょっぱい
あんたの もの言い
誠実さに欠けるって
ぼくは思う
それが あんたの塩対応

いや ちょっと待て
塩対応されるぼくって
どういう存在なんだ?

ぼくの存在
ぼくの もの言い

それらそのものが
相手の しょっぱい態度を呼んでないか

きっときっと そうだろ そうだろ
塩対応でもしとけばって
きっと そういうことなんだろ

だから ぼくはうなだれて帰っていくさ


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