【東京詩】「電車内」
地下鉄に乗る 東京の地下鉄だ
7人がけの席である
2人 3人 2人―その間はパイプで仕切られ
1列に7人が座る
パイプを「|」で表せば
人人|人人人|人人
お分かりかな?
ぼくの向かいの席
女女|女女女|〇女
である
右から2人目が空席で
7人がけに6人の女が座る
あと1人 あと1人
そこに女が座れば
7人全員が女だ
それは案外 滅多にないことだ
女性専用車両は別に
電車の中は やはり男のほうが数は多い
7人全員女なら ロイヤルストレートフラッシュだ(違うかw)
きた きたぞ
女が乗ってきた
あ そこに その席に座らないのか
電車はひとつ空いたまま 次の駅に向かう
すぅーっと メガネをかけた40過ぎの女がきた
そうだ そこだ そこに座るんだ 座った!
女女|女女女|女女
完成だ! 7人の女がずらりと横並びだ
このまましばらく続くだろうか
次の駅に近づいた
2人の女が腰を上げた
女女|〇女女|〇女
2つも席が空いた
1人女 もう1人女がやってきた
どうだ どうだ 座るか座るか そこに座れ!
それぞれは無関係の女だ
それぞれが空いた席に座った
再び
女女|女女女|女女になった
さあどうだ さあどうだ…次はどうだ
ああ ぼくが下りる駅に着いてしまった
振り向けば 空いた席に男が座っていた―