「忘れっちまう」
「彼女 あなたのこと どう思うかしら」
ぼくが あの女のことを
好いていること
バレバレだった!
ぼくは あの女が好き
それは 淡い思いだ
ただ それだけ
それだけで よい
だが ぼくのワキの甘さ
見通しの甘さで
つまずいてしまい
影でひそひそ言われるよな
ぼくはそんな状態に――
「彼女はどう思うかな」
と
同僚(女)がぼくに訊う
あの女の顔が思い浮かぶ
同僚とも 一緒に
食事し 酒を飲んだりした
だから
ぼくの「気持ち」など
とっくに見透かされていた
隠しているつもりが 丸見え
ふふ
自分の心を見られぬようにする
そんな難しいこと
ぼくにはできない
ああ
好きなのですよ
あの女が
彼女がこのザマを見たら…
気にするな
その一言に尽きる
気がつけば
正月休みだ
あれも これも
みんな忘れっちまうさ