■知ってますか? 「協会賞」って…
マスコミってナニ?(35)
ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改
◇これも新聞離れの象徴だな
9月8日発行の、朝日、読売、毎日各紙が、一面に「新聞協会賞」受賞を誇らしげに掲載した。
正式には、日本新聞協会賞という。新聞、放送など記者を自称する者にとって最高の名誉であり、栄誉であるため、記事の大きさは小さいが、一面に扱われるものだ。
詳しい説明はコチラを参考にしていただこう。
さて、この賞は報道以外の広告や技術などさまざまな部門があるが、最も重視、注目されるのはもちろんニュース部門、すなわち「特ダネ」である。
今回、「三大紙」が受賞したのは下記のとおり。
朝日=基幹統計調査の不正をめぐるスクープ報道
読売=2020東京オリンピックをめぐる汚職事件のスクープ報道
というのが2大スクープである。
これに加えて、
毎日=安倍晋三銃撃事件で安倍晋三が撃たれた直後を撮影
毎日の記事=写真は、偶然その場に居合わせて撮れたものである。いわば棚ボタ…。それはそれで立派な特ダネではある。
これについても、新聞協会のHPに詳しく、筆者紹介とともに載っている。毎日が紙面やHPに載せていない安倍氏の銃撃直後の写真も、ここには載っている。
協会賞はもちろん、社内の賞にもほとんど縁がなく現役を終えた僕からいえば、記者として生涯の勲章を得た人たち、記者たちは実に立派。雲の上の人々だ。
部長や局長がどんなにエラソーなことを言ったところで、協会賞の「キ」の字にもかかわっていない人間がほとんどなのだから、いつも「威張るなら協会賞でも取ってから言え!」と内心毒づいていた(小さいなあ…)。
だが…しかし…。
受賞した朝毎読各紙の記事のほか、共同、時事の両通信社も記事を配信し、ヤフーに載っているが、いずれもコメントは極端に少ない。
だれも、そんなこと(新聞協会賞)に関心を持っていない証拠だろう。
熱心にネットニューを読み、コメントしたりしてマスコミや、報道に関心を持つ人なら当然知っている賞――と業界内にいる人間は思ってしまう。しかし、現状では世間的にそうでないっていうことなのだ。
新聞はもちろん、「記者」稼業そのものの相対的地位低下が、実に悲しい。