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【映画批評詩】「そちら側の世界」

「殺す」と「殺される」
その対になる行為が続くのが
戦争

ひとりだと犯罪
百人 千人 万人を殺せば 英雄
それが 戦争

殺す側の生活をのぞき見る
家族がおり 仕事があり
出世があって 転勤がある
男は時に娼婦を抱き
同じ手で子も抱きかかえる

男は自らの手でユダヤ人の首を絞めてはいない
ガス室に送り 効率よく灰にする
その装置を
組織の中の歯車のひとつとして
まじめに行った
勤勉な男

その世界を 観客はのぞき見続ける

彼は その後どうなったのか
自分で知ろうとすることだ
そう訴える声は届いているだろう

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