「時を見送る」
声を立てず
薄ら笑いを浮かべる者ども
背中に感じる連中の存在
連中と僕は違う方向に進み
時間と景色が流れ
何の気配もない空間で
しばらく時を過ごした
あ、
自分は巻き込まれた
と
そのとき 自分は説明し
仕方のないこと
と
諦めの境地で再び時を過ごした
その時分
大笑い 嘲り
その一方
もったいないことをした
同情するよ
との 声も聞こえはした
ああ
あのとき
踏ん張ればよかったのか
否
あれから何年か 無為――
僕は時を見送り
時は僕を見送り
いま あの時を考える
自分はこれでよかったのか
自分にかける言葉は なし
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