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【日常詩】失せものあらわる 再び

きのう 机の上に置いたはず
小銭入れ
ビニールでできた 安物
それが消えた
家の中 自室にあるはず
脱いだズボンのポケットにはない
ベッドの隅や 机の足元
部屋の中のごちゃごちゃしたところを探す
ない ない

ないなら ない
なくなったのなら ない で仕方ない
どうしても ないと困るものでも ない

小銭入れを持たずに 外出 仕事に出た
特段の不便もないのだが
あれはどこに行ったのやら…
その思いが消えずにいた

翌朝
ふと 思い立ち 屑籠の中を見た
その底に あった
机のわきに置いてあったそこに
転げ落ちたんだ

よかった
中には五百円硬貨含めて千円を超える金額があった

ずしりとした重み
安物の小銭入れ
運はまだ逃げていない

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