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インドネシアのMeToo映画|『フォトコピー』

Netflixのインドネシア映画『フォトコピー』を鑑賞しました。
多国籍な映画を観ることが好きなので、インドネシアの土地や人を知ることができて嬉しい。本作はミステリーとして楽しめながら、社会的問題をテーマとしており、ずっしりとした重厚なサスペンスとして見応えのある一本となっています。

原題は「Photocopier」コピー機が本作のキーアイテムです

演劇部のコンテストに優勝し、京都でのアジアコンテストに出場できることになったとある大学の演劇部。劇団のウェブサイト制作を担当したスールは優勝パーティーでそんなに飲んでいないにも関わらず、記憶がなく自宅で朝を迎えてた。
奨学金の面談があったため慌てて大学へ向かうが、なぜかSNSに自分の飲酒画像がアップされており、その行いにより奨学金の需給が却下されてしまう。
あの夜に何があったのか?スールは自分の身に何が行ったのか探るが、そこで驚愕の事実を知ることになる。

スールはITの知識のフル活用して劇団メンバーのスマホをハッキングし、あの夜、自分の身に何が行ったのか探ろうとします。この行動が本作をミステリーとして面白くさせていました。

パソコンとスマホを活用して調べていく

他人の画像フォルダを覗く罪悪感と焦り、お酒に薬を盛ったと思しき犯人が実は違ったり…。なかなか上手くいかない“もどかしさ”があるのですが、わたしはそこが好きでした。
(さらにスールは、論文の売買など自分もバレるとやばいことをしちゃうのですが、背に腹はかえられない状況だとそうなるだろうなと。人間くさくてそこがいい)

スールの友人が働いているコピー屋さんがハッキングの舞台となりますが、調べてみるとインドネシアには、ちゃんとこのようなコピー屋さんがあるそうです(面白い!)

最後の段落で物語の結末にふれるので、ここで登場するごはんについてメモします。お話はずっしり重いのですが、インドネシアの街並みや空気感を感じられるので楽しく鑑賞しました。

▼▼『フォトコピー』に登場するごはん▼▼

スールの家は食堂(お惣菜屋さんのような)を営んでおり、ガラスケースにさまざまな料理が並んでいました。お客さんに提供するカットはありますが、食べるシーンまでは描かれませんでした。

インドネシアらしく屋台でのテイクアウト料理も何度か登場します。おそらくナシゴレンだと思うのですが、中華鍋に卵を入れて炒めるカットが一瞬描かれ美味しそうでした。サテ(インドネシア風焼鳥)もセリフにだけですが登場します。

優勝パーティーを開催した裕福な学生の自宅で振舞われるのは、オックステールスープ。お肉だけじゃなく、にんじんなど野菜も豊富に入っており、これも美味しそうでした!

こちらもセリフのみですが、屋台のようなお店でアイスティーとヌードルを注文するシーンがありました。どんな料理か見てみたかったなぁ。

映画後半でスールたちを匿う女性がいるのですが、ここでお粥が出されます。インドネシアの朝食で食べられるお粥は鶏肉のスープで作った「ブブル・アヤム」と呼ばれるそう。本作でちらっと映るお粥は、中華の揚げパン(油條)がトッピングされていました。

この出来事の原因を作った「お酒」もたくさん出てきます

もう一本、インドネシアのごはん映画をご紹介

テイストは全く違うのですが、インドネシアのごはん映画『アルナとその好物』という作品について書きました。こちらもたくさんのインドネシア料理が登場しますので、観れる機会あればぜひチェックを!

ここからは作品の結末にふれてます✍️

スールは孤独な調査を続けますが、ふとしたことから自分の身に起こったことを知ります。おそらく鑑賞する皆が「もしかして…」からの「絶望と恐怖」をともに体感することになると思います。

本作は性暴力をテーマにしています。スールは泥酔し身体を勝手に撮影され、あろうことか舞台道具として使用されていました。(インドネシアには規制があるようで、被害シーンは極力オブラートに包んで描かれます)
そして正式な方法で大学に訴えを起こしますが相手にされず、あろうことか自分が謝罪させられる事態に。なんだこの展開は…辛すぎる…。

ラストには救いと希望があります。
辛くなるシーンが続きますが、同じく被害を受けた者たちの静かなる共闘までぜひ見届けほしいと思います。(被害に遭うのは女性だけではないということも重要です)
本作はインドネシア映画祭で最多受賞したそうですが、今後もインドネシア映画が楽しみです!

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豆花
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