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これは人生の物語|『パスト ライブス/再会』

最近は中国語学習の一環で、中国語で日記を書くことをがんばっていたので、noteはご無沙汰していました。久しぶりに映画についてメモします✍️

『パスト ライブス/再会』

4月に劇場で鑑賞していた作品。最近は劇場での鑑賞から足が遠のいてしまっていたのですが、本作は予告を見て「ぜったい劇場で観たい!」と思っていました。(noteを書くのがのんびり過ぎましたね🍃)

海外移住のため離れ離れになった幼なじみの2人が、24年の時を経てニューヨークで再会する7日間を描いた、アメリカ・韓国合作の作品。第96回アカデミー賞では作品賞、脚本賞にノミネートされていました。

少女ノラと少年ヘソンは互いに恋心を抱いていたが、ノラの海外移住により離れ離れになってしまう。韓国・ソウルと、アメリカ・ニューヨークでそれぞれの人生を歩んでいた2人は、SNS上で再会を果たすが、再びすれ違ってしまう。そして12年後、ノラに会うためにニューヨークを訪れたヘソンだが……

本作はラブストーリーにジャンル分けされると思いますが、この映画に出てくる、“縁(イニョン)”という概念は、全ての人間関係に関係する話だと思いました。 “縁(イニョン)”は、韓国語で「運命」を意味する言葉だそう。
相手を口説く時に使うという、冗談めいた説明も劇中ではありましたが、思い描いたように進まないのが人生ですよね。恋愛も人間関係も、仕事も生活も全ては”ご縁”。

過去自分が「選ばなかった道」に想いを馳せることもある。でも今が一番だと思いたい。(いや、今が一番じゃなくてもいいです。”今”について理解していれば問題ないと思うんです)

韓国や日本では “縁”の概念は一般的だと思いますが、アメリカやヨーロッパではそうした言葉はない、とセリーヌ・ソン監督が言っています。東洋の概念、東洋の哲学なんですね、おもしろい。

二人がNYで再会したのを見た瞬間、涙が溢れました。 わたしは個人的にこの映画がとても好きで、この穏やかで繊細な感情描写が好きで、このゆっくりとした物語の手法が好きです。

この映画をラブストーリーという枠組みだけで見ると否定的な意見もあるかもですが、「人生の話」と捉えると何かしら自分と重ねたり、理解できたり出来なかったり、優しい気持ちで観れると思います。この映画が、過去のいろんな出来事を肯定してくれる、そんな感じがします。

ヘソンを演じるユ・テオさん、幼さ多めの大人を見事に演じていて素晴らしかったです!あとノラの夫ジョンを演じるジョン・マガロさんの表情(というか空気感!)もよかったですね〜。
映画終盤の、あのバーのシーンは自分がジョンだったらと思うと、楽しくなさすぎて泣いていたかもしれません。

ノラの夫ジョンを演じるジョン・マガロさん、とてもいいです

▼▼『パスト ライブス/再会』に登場するごはん▼▼

韓国の焼肉/ヘソンの実家での食事/NYのイタリア料理店のパスタ/バーで飲むお酒

韓国での食事シーンは、男友達とつるんでの焼肉(大量のチャミスル)や、実家での食事シーンなど、ヘソンが韓国で置かれている環境や立場を表現しているのかなと思いました。劇中でも韓国人男性の結婚観についてセリフがありましたが、韓国という枠、男性社会という枠に収まっている様子が少し感じ取れます。

NYでの食事シーンは、ノラとヘソン、ノラの夫のジョンという少しぎこちない組み合わせの食事シーンでした。その理由の一つに3人の関係性もありますが、一番の要因は言語。英語と韓国語、どちらも分かるのがノラだけ。2人の男性はノラの通訳で意思疎通します。

NYで食べるパスタ。夫ジョンの立場で考えると座る位置に違和感を覚えるよねぇ〜

誰の立場になって鑑賞するかで変わりますが、多くの人がジョンの立場になり、鑑賞しながらモゾモゾした、居心地の悪さを感じたのではないでしょうか。わたしも今、語学勉強をしているのでジョンの立場だったら少し悲しいかもしれません。

これはラブストーリーではなく、人生の映画。

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本作の感想を、中国語でも書いてみました✍️

我今天特意请了假去看这部电影,所以对它很期待。
这是我这一段时间以来第一次去电影院,看了《过往人生 Past Lives》。
这部电影是关于分开二十年后又重逢的爱情片。
它描绘了韩国人对“因缘”(前世今生的缘分)概念的理解,我觉得是关于所有人际关系的故事。
人生并不总是按我们所想象的方式进行。
当看到男女主人公在纽约再次相遇的场景时,我的眼泪顿时刷地就流下来了。
我个人非常喜欢这部影片,喜欢其中温柔细腻的情感刻画,以及缓缓展开的叙事手法。


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