自分を大切にしてくれる人と一緒にいる
逆に言うと、自分を大切にしてくれない人とは一緒にいない、ということだ。
たまたまテレビを見ていて、今どきの人気者が”かれん”という名前で、ふと思い出したことがある。
友人で、唯一、私のことを「かれんちゃん」と呼ぶ子がいた。
もちろん本名はちがう。コテコテの日本名だから(笑)。
そう呼んだ子は、転校生で、中学校からの付き合いだった。
地元民しかいないという田舎のアウェイの環境の中で、あっという間に人気者になる程の、勉強もスポーツもできて、かわいい、キラキラした”一軍”の女の子だった。
いつ仲良くなったか覚えていない。
私は彼女のまっすぐで、正直な性格、しかもかわいい(これ以上の魅力はない)、に羨ましさも覚えながら、まぶしく感じていた。演劇部で主役をやるような子。
そんな彼女が、彼女だけが、唯一、私を「かれんちゃん」と呼んだ。
理由は簡単。
中学の時に、なりたい理想の名前、を友達の間で話したときに、私は「かれん」だと答えた。
今思えば、私よりも100倍「かれん=可憐」が似合う、彼女が、「じゃあ今日から〇〇(私のこと)をかれんちゃんと呼ぶ!」と言ってくれ、実行してくれたのだ。
その行動力にも脱帽。キラキラした存在はすごいな、と思っていた。
そんな彼女と付き合いが続き、大人になったら、一緒に食事をするようになり、友達グループではなく1対1で付き合うようになった。
彼女は今、家族がいて仕事もあってとても幸せそうだ。
それならいい。直接会うことなくても、それでいい。そう思う。
ところが、心がザワつくことがここ6年ほど続いていた。
問題は年賀状だ。
年賀状はもう、古いツールになってしまったが、地味にやり取りする私たち。
過去6年、
年末もしくはと年明けに、必ず彼女から届くメールがある。
「かれんちゃん、今の住所、どこー?教えて」
私の住所は、ずっと変わっていない。確かに引っ越しをした6年前に新住所を伝えた。
しかし、毎年毎年、年賀状のシーズンのたびに聞いてくる。
違和感を感じたのは、2回目からだ。
あれ?
別途、その度に連絡もしているし、こちらから年賀状も送っている。
私が送った年賀状には、私の現住所を載せている。
ところが、翌年も、その翌年も、その翌々年も、「住所どこー?住所リストがなくなってしまったで、メールで教えて」と毎年来るのだ。
彼女から届く年賀状は、宛て名の部分が、修正ペンでベタベタに修正し書き直した跡がある。
そう、今どき修正ペンなのだ(笑)
こんな汚い年賀状ふつう送るかな…と思いながらも、人それぞれの価値観か…と納得しようと思う自分もいた。
そんな違和感を残したままだったが、毎年毎年、メールで「住所教えて」という内容が届く。
やはりおかしい。
彼女は自分のリストを更新していない。
この件を、別の友人に話したところ「それはナメられてるよ」と思わぬ意見をもらった。本当に私が大切な友人ならそんな扱いはしないと。
そんな友人に、そんな程度の年賀状を出してもいいという甘え。
あれ、これって、私が書いた内容とリンクする。
そんな態度でいいという甘え。彼女はこの内容と違い、常に上機嫌だし、まぶしいくらい太陽のような存在だった。でも甘えは確定だったな。
「大切にしてくれない存在は、もう切った方がいい」
そんな、アドバイスを受けて、私も決断した。
よく考えたら、私が友人であっても、
どこに住んでいるか、メモしていない人。
毎年年賀状送っても、どこかに失くしている人。
メールで聞けば答えてくれるからいいだろうと思っている人。
唯一のニックネームで呼んでくれるけど、今は、もうあの頃と同じじゃない。
私を大切にしてくれないなら、私も切る。
で、2020年、今年から切ったよ。本人は気付いていないだろうけど。
新年早々、彼女からメールが届いた。
「かれんちゃーん、年賀状がなぜか戻ってきてしまったんだけど、住所どこー???メールで教えて」
きたきた。私は今年から、彼女とつながりを持たないことを決めたから、勇気が要ったけど、切った。
大切な存在でも、自分を大切にしてくれない人は、その程度だと思うしかない。
まっさらに信じる性格ゆえに、いちいち本気にしてきたけど、そうじゃない。やっぱり、おかしいものはおかしい。
切ることで、寂しさもあったけど、安心感があった。
彼女も大切だったけど、それ以上に、自分自身が大切なのだから。
きっと来年も忘れたようにシレっと届くだろう。
「年賀状が送れなかったけど、住所どこー?」
自分の人生なんて短いのだから、自分のことを大切にしてくれない人のために、心も時間も、無駄にしている場合じゃない。
私のこれからの時間は、自分の大切な人のために。
最低限として、違和感を感じるほど自分を大切にしてくれない存在は論外だ。
自分のことを大切にしている人のために。
大切な存在よ。今まで本当にありがとう。
これからも私は一緒に過ごすからよろしくね。
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