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似たような傷
鈴木砂羽さんのnoteが話題になっていたので、拝読いたしました。
大変なお辛いご経験をされていたんだと初めて知ったのと同時に、語られていない部分の重さも感じました。
彼女は全てを語ってくれました。本当に勇気ある決断をされました。
でも本当の“全て“ではなく、話題と言葉を選んでお書きになっています。noteに書けなかった本当のことがあるように感じましたし、それほど今回の、芸能界の性被害の問題は深いという印象を受けました。
◯自分の過去
砂羽さんと似たような世代の私。昔を思い出したので書きます。
取引先へ、集金に行った時の出来事です。
当時19歳だった私は、何度か訪問したことがある場所でしたが、主担当になって初めて。ドキドキしながら訪問しました。鰻の加工をする小さな会社で、社長は50代半ばの男性。現場にいました。
会うと「オイなんだ」とすでに不機嫌でした。遠い記憶なので、微かに覚えている程度です。スーツでパンプス姿の私に、「来んな」「入って来んな」
水もかけられそうになって。嫌な言葉をぶつけられ、ただただ
「オレはな、若い女が大っ嫌いなんだよ。帰れ」と、怒鳴られました。
繰り返し「オレはホントに若いオンナがキレーなんだよ、帰れ!」
帰るしかありませんでした。結局集金ができないまま帰社しました。
会社に戻ると、社長から私に対するクレームの電話がすでに入っており、周囲から「あそこは気難しい社長さんだから」と、後から聞かされます。
そして「でもさ、で?一体何をしたの?」と。
何もしていません。仕事も会話もさせてもらえていません。
私はただ「若い女は嫌い」という理由で、怒鳴られ、担当を外されました。
◯男尊女卑の国、ニッポン
日本は男尊女卑であると感じます。この令和の時代になっても大いに感じます。
その理由は、つい20〜30年ほど前まで、女が下で当たり前だったから。お茶くみ?そんなの女の仕事でしょ。そんな時代でした。
そして、そんな思いでいた人たちが今でも社会の中心であるからです。良くも悪くも仕方ありません。
価値観を変えよう!と言っても長く染み付いたものは、なかなか変わりません。
だから、今回鈴木砂羽さんのnoteを通じて感じた私の持論ですが、今から20年前、つまり現在の40代以上の女性は、性被害の経験、もしくは男尊女卑の扱いを受けて心に傷を負った経験を、多かれ少なかれ持っていると思うのです。性被害なんて泣き寝入りした女性は多いと思います。
現代においても、未だに日本は女性の議員が少なく、女性の管理職が少なく、女性のお給料も男性より低い社会なのです。どれだけ優秀でも。
現在進行形で、男尊女卑を感じて傷ついている女性が大勢いるのです。
SDGsなんて言っても、追いつくのは100年先でしょう。令和に生まれた子供たちが、社会を作りリタイアする時代になるまで。相当かかるでしょう。
私は人生のあらゆるところで、男尊女卑の扱いで傷ついてきており、実の父に、生まれる前に「妊娠した子が女なら、川へ捨ててこい」と言われた経験があります。(詳しくは上のnote)
それを言われた母は心に傷を負ったでしょう。そして生まれてから、それを聞いた私も深く傷つきました。
たった40数年前、そんな発言が平気でされる社会でした。うちの父の人格問題もありますが。それでも、祖母も女性でありながら、息子の嫁が「子供を産むなら男の子を望む!」そんなことが当たり前した。
今も「産むなら男の子」の時代でしょうか。これだって女性は大いに傷ついています。そして、なぜこれに傷つくのか理由がわからない男性陣もいらっしゃることでしょう。
日本の価値観、まだまだのようです。
◯砂羽さんありがとう
それは、大きなきっかけになりました。
砂羽さんのnoteを読んで、似たような経験を持っている女性が声を上げなければ社会は変わらないな、と強く思いました。
彼女は普段から、芯の強さがあって、勝ち気で意志は曲げないイメージがあり、そこが大好きです。今回のnoteは、そんな彼女の正義感のひとつから生まれたように感じます。
そう。言わなければ変わらないんですよね。
声を上げていきましょう、女性たちよ。みんなで。
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